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67億ウォンの釜山海雲台のペントハウス、68.5対1の競争率に

◆ ペントハウスが何ゆえに ◆ 

    • < ハンファのガレリアフォーレ・ペントハウスの内部。 >

    中堅企業のオーナーで50代後半のAさんは最近、首都圏の新都市に位置したペントハウスを購入し、知人を招待してパーティーを開く。複層の屋上庭園のテラスの片側に設置されたバーベキューグリルで、サムギョプサルなどを焼きながらワインで一杯という「親交」の集まりだが、外の風にあたりながら都心の夜景を見下ろして楽しむ余裕が一品だ。最近になって韓国でペントハウスへの関心が高まり、分譲市場でも人気が急上昇している。

    釜山の海雲台、昔の韓国コンドミニアムの場所に101階建ての超高層住商複合ビル「海雲台エルシティ・ザシャープ」のペントハウスは、去る15日に3.3平方メートル当たり7000万ウォン、総分譲価格67億9600万ウォンという高分譲価格を突きあげて、最高68.5対1の申請競争率を記録して話題を呼んだ。実需要(居住目的)も申込みに乗り出したが、当選した場合は最小でも数億ウォン台に達する相場差益を享受できるという期待心理に、ソウルなどの首都圏からも大挙申込みに乗り出したという裏話だ。

    不動産業界のある関係者は15日、「億台のプレミアムを出してでもペントハウスを購入するという待機需要があるという噂がひろまって、首都圏では請約通帳が大挙“ジャンプ(住所地移転申込みを意味する隠語)”した」とし、「分譲権プレミアムがどれくらい付くのかが業界の焦眉の関心事」だと語った。

    実際に『彼らだけのリーグ(A League of Their Own)』「空の上の一軒家」と呼ばれるペントハウス界に暮らすというこは、上位1%内のスーパーリッチにさえも「ワナビー(want to be)」、羨望の対象だ。

    △写真=釜山・海雲台のビーチのすぐ前に、国内最高層マンション(85階建て)として建てられた「海雲台エルシティ・ザショップ」の着工式にポスコ建設のファン・テヒョン社長(中央)と施工会社エルシティPFVの関係者などが参加して式典を開催した。 [写真提供=ポスコ建設]

    都心やランドマーク級の要地の超高層マンションや、ホテルの最上階に位置するペントハウスは見晴らしが良いだけでなく、テラスやバルコニー、屋上などを他のアパートより広く、そして排他的に利用可能だ。さらに複層型ペントハウスの場合、子供と居住空間を分けることもでき、屋上にあるテラスを個人の庭やバーベキュー場などに活用することができる。城北洞などにある2階建ての洋館式邸宅が、都心の超高層に登ったと思えばいい。一言で言えば、ペントハウスは共同住宅の利便性と一戸建てのプライバシーを同時に備えた「希少な」ものというわけだ。

    そのうえ、最近分譲された主要マンションの中でもペントハウスの戸数はきわめて少ない。盤浦アクロリバーパーク1次は2戸に過ぎず、アクロリバーパーク2次は6戸、ソウルの森ヒルステートは4戸に過ぎなかった。そして、何よりもランドマーク級の希少性のために、所有している人の財力と社会的位置を密かに誇示する「位置財」でもある。このため、ペントハウスは市場であまり取引されないだけでなく、もらい手が現れたら「言い値が買い値」だ。供給がきわめて限られた状況から、需要供給の法則に従った適正価格というものが存在しないことを意味する。ソ・ドンギ韓国鑑定評価協会長は、「都心の超高層ペントハウスはベテラン鑑定士たちも価格を付けることが非常に難しい特殊なもの」だとし、「ランドマーク級の場合、分譲価格以上で取引されているのがほとんどだ」と語った。

    ハンファガレリアフォーレ・ペントハウス(専有面積271.45平方メートル)は、2008年に51億6600万ウォンで分譲されたが、2012年4月には3億ウォン以上の上乗せがついて54億9913万ウォンが実際の取引価格になった。江南区清潭洞マークヒルズイーストウイングの専有193平方メートルの場合、2014年に65億ウォンで取引され、龍山区の漢南洞ザヒルの専有244平方メートルの場合は今年の2月に77億ウォンで取り引きされた。三成洞アイパークでも昨年12月に、専有面積269平方メートルのペントハウスがオークションで鑑定家から80億ウォンの値を付けられて出たりもした。

    不動産114の相場調査によると、大林産業(テリムサノブ)が分譲した瑞草区盤浦洞のアクロリバーパークの専有面積234平方メートルのペントハウスは、一般分譲価格は35億ウォン程度だったが、分譲権の相場だけで平均54億~55億ウォンに達する。分譲してから1年半で20億ウォンに達する上値がついた。近くの不動産屋の関係者は、「金持ちが好む複層型ペントハウスは、ガレリアフォーレの場合は買うという言い値が70億ウォンまではねても、誰も売ろうとする人がいなくて取引にならない」とした。

    ポスコ建設はこの日、ファン・テヒョン社長などが出席した中で、海雲台の超高層ランドマーク「エルシティ」の着工式を開催した。海雲台エルシティは海雲台海水浴場の東、昔の韓国コンドミニアムと周辺の土地6万5934平方メートルに101階建て411メートルのランドマークタワー1棟と、85階建ての住宅タワー(マンション)2棟で構成された複合リゾートを建設するプロジェクトだ。

    総事業費は2兆7000億ウォンを超える。施工会社のエルシティPFVはそのうちの1兆7800億ウォンを、釜山銀行やメリッツ証券などを通じてプロジェクトファイナンス(PF)で調達した。まだ中国などの外国資本は入ってきていないが、来年5月に分譲するレジデンスホテルは投資移民制の適用を受けるだけに、中国・ロシアなどの外国資産や海外法人が投資する可能性が高い。エルシティレジデンスホテルに7億ウォン以上を投資して分譲を受けると大韓民国の居住ビザ(F2)を得られ、5年が経過すると永住権(F5)を与えられる。
  • 毎日経済_イ・グノ記者/シン・スヒョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-10-16 09:08:04