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[FOCUS] 「ハンミ薬品効果」製薬企業のR&D費1兆ウォン時代

来年、売上げ対比初で10%台…先進型構造に/大熊製薬100人採用など、研究人材の確保戦が熾烈に 

    • < 製薬会社R&D 費用 >

    韓米(ハンミ)薬品の長期研究開発(R&D)投資の結実が成果として立証され、国内の各製薬会社はR&D投資を積極的に増やしている。来年には各上場製薬会社は「R&D投資1兆ウォン」と「売上対比のR&D比率10%突破」を同時に達成する見込みだ。各製薬会社はまた、R&Dの核心である人材確保にも積極的に乗り出している。

    来年の経営戦略を組んでいる各製薬会社の核心キーワードは「R&D」だ。 10大製薬会社の場合、ほとんどが今年よりも10~20%以上R&D投資を増やすことにした。 R&D投資の先導者である韓米薬品は、サノフィ(Sanofi)社やヤンセンファーマ(Jansen)社などのグローバル製薬会社と結んだ、開発段階に応じた技術料の支払い契約によって入ってくる資金をR&Dに優先投資する計画だ。

    上位の各製薬会社も相次いでR&D投資を増やし、新薬の発掘に乗り出す。緑十字は2014年事業報告書による売上げ8543億ウォンの9.9%である846億ウォンを投資したことに続き、今年もR&Dに売上げ対比で10%以上を投資したものと推定される。 2016年にもR&Dに売上高の10%以上を投資する計画だ。今年のR&D投資を昨年よりも160億ウォン以上増やした鍾根堂(チョングンダン)は、来年もこの程度の増加幅を記録するものと見られる。チョングンダンの関係者は、「近いうちに目に見える成果を示す可能性が高く、さらにR&Dに集中する予定」だと語った。 JW中外製薬の場合も、少なくとも20%以上にR&Dへの投資比率を高める計画だ。上位の各製薬会社がR&Dに乗り出して、来年度の上場製薬会社のR&D費用の合計は1兆ウォンをかるく超える見込みだ。

    完成品を生産・販売している国内53社の上場製薬会社の、昨年のR&D投資額の総額は9500億ウォンだった。これらの製薬会社の、今年第3四半期までのR&D投資総額は8029億ウォンに達した。各四半期当たり2700億ウォンで、算術的には今年1兆ウォンを超えるかもしれないが、第4四半期はふつう増加幅が減ることから、今年は1兆ウォンに至らない可能性が高い。しかし、大手製薬会社は今年よりも10~20%以上にR&D投資を増やす予定であるため、来年は確実に1兆ウォンを超えるものと製薬業界は見ている。

    この場合、全体の売上高でR&Dが占める割合も、平均で10%を超えることになる。今年の第3四半期までは8.7%だった。売上げに対するR&D比率10%は、世界的な製薬会社へ移行するための一種の変曲点だ。ハンミ薬品の成功の秘訣も、10年近く比率を10%以上に維持してきたことにある。

    特に中堅の各製薬会社も、新薬開発のためのR&Dの割合を積極的に増やしつつ跳躍を夢見ている。サムジン製薬は昨年、2013億ウォンの売上高と営業利益316億ウォンを上げた中堅製薬企業だが、今年は果敢に150億ウォンをR&Dに投資した。来年はこれよりも30%以上増額された200億ウォン以上を投資する計画だ。フグァン薬品もグローバルな新薬開発のために積極的な投資を行って注目される。来年は売上高の20%まで研究費を拡大する計画だ。

    KDB産業銀行が発行した「国内製薬産業の新薬開発の推進現況と戦略」レポートによると、世界の医薬品・バイオテクノロジー企業は売上高の15~30%を新薬開発に投資する。

    各製薬会社は積極的なR&D投資を導く専門人材の採用にも積極的に乗り出している。現在、採用手続きを進めている緑十字は、R&Dと海外ビジネス部門の人材拡充に乗り出した。特にR&D部門で20人内外の新規人材を選抜する計画だ。緑十字が未来成長動力として集中的に育成している細胞治療剤、遺伝子治療剤、細胞培養などの分野の専門家を確保するためだ。このように、今年は402人のR&D人材を備えたが、来年にはさらに修・博士クラスの人員40%以上を補充するという計画だ。

    一同(イルトン)製薬は12月中に80人ほどを採用する計画だが、R&D人材の確保に重点を置いている。イルトン製薬の関係者は、「バイオ医薬品、合成新薬、天然物新薬などのR&D人材の採用を増やした」と語った。大熊(テウン)製薬も来年3月までに、最大100人規模でのR&Dと学術・品質管理分野の人材を採用する計画であり、これまで最もR&Dに消極的だった広東(クァンドン)製薬も、医薬品製剤と改良新薬のR&Dと臨床試験部門で10人を採用する計画だ。

    製薬会社の間ではR&D人材を引き抜くスカウト戦争も水面下で火が付いている。ある製薬会社の関係者は、「最近、我が社の研究所の核心研究員に競合他社が良い条件を提示して接近した事例がある」と語った。
  • 毎日経済_キム・ギチョル記者/イ・ドンイ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-12-04 16:06:27