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サムスンSDIのキム・ユミ副社長 「すべてに優れた小さな巨人」

◆ サムスンの役員昇進 ◆ 

    サムスンSDIで最高の電池専門家とされるキム・ユミ専務(57)は、社内では「女丈夫」で有名だ。 1976年に大田(テジョン)女子高の卒業を最後に、男たちの間で生きてきた。一度始めたら終わりを見ないことには済まない性格。研究室にこもっての徹夜残業もいとわなかった。そうして過ごした「電池一筋30余年」。サムスングループは、こんな彼女を4日の役員人事で副社長に昇進させた。 「サムスン研究開発(R&D)分野初の女性副社長」を輩出したわけだ。

    忠南(チュンナム)大学化学科を出たキム副社長は1982年、韓国化学研究所で研究者生活を始めた後、1996年にサムスンに移った。彼女は負けることを嫌う。 「女だからダメ」という声を聞くだろうかと、この間歯を食いしばって働いた。化粧?美容?そんなことは時間の無駄でしかない。重い荷物もひょいひょいと運んだ。酒も「なんでもござれ」で飲む。サムスンSDI役員のうちで航空機の搭乗記録が一番多い。彼女の知人は彼女を「決断力が強く、カリスマがすごい」とし、「柄は小さいがチームワークや組織管理など、すべての能力で優れた小さな巨人」だと耳打ちした。

    実際、キム副社長が後輩たちに最も強調する言葉は主導権と所有者意識だという。彼女はこの日、京畿道龍仁郡器興のサムスンSDI本社ロビーで、毎日経済新聞との単独インタビューでこのように語った。 「自分が必要だと判断して提案し遂行する業務は楽しさもあり、ストレスもあまり受けない。本人が決定権を持つように状況を作ることは、自分はもちろん他人にも最良の会社生活の方法ではないでしょうか」。

    キム副社長はサンヨーなどの日本企業がリードする二次電池市場で、サムスンSDIを強者の位置に乗せた。円筒形や角型のポリマー電池など、サムスンSDIが開発した2次電池はすべて彼女の手を経た。新しい製品を見るたびに心臓が跳ね上がったという。意図はしなかったが、伴侶者に合うことは逃してしまった。唯一の余暇・趣味は大田に暮らす母の家でのんびりとテレビを見ることだ。サムスンSDIの後輩従業員は、キム副社長を「電池と結婚した女性」と呼ぶ。 「最近は根気強くR&Dだけを行う、土方をする女性はあまりいないですね。私が結婚しないことから、そう名付けたのでしょう」。

    キム副社長は本当に、電池の話をはじめると目がキラキラとする。彼女は「会社やグループで迷うことなく2次電池を将来の種事業に押してくれたので、今日世界一等になることができた」とし、「私がやったことはとても小さな部分だった」と謙遜した。

    「夢は何か」という記者の質問に、すぐさま「電池素材の一流化」をあげて、「若者が一度は挑戦を試みるべきかもしれない分野がまさに電池」だと強調した。
  • 毎日経済_器興=イ・ギチャン記者/写真=キム・ホヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-12-04 22:36:24