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[社説] 掃き溜めに鶴の時代は終わるのか

  • 10年の研究の末に、気が狂った人がいる。家計も苦しく金もなくて大学の敷居も超えることができなかった男性が、人生逆転を狙って司法試験に挑戦したが、10年間ずっと落ちてしまい、狂ってしまったのだ。

    韓国にロースクールが導入された背景には、このような高試廃人を減らそうという趣旨も込められているかもしれない。

    文民政府の時代に議論されたロースクール制度を作った政府は、皮肉にも独学で司法試験にパスした故盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代だ。掃き溜めに鶴の象徴的な人物である故ノ・ムヒョン元大統領は高等学校を卒業したあと、家の外にある土窟のような家にこもり座って、7年間勉強した末に司法試験に合格した。

    米国式ロースクール制度は明確な利点がある制度だ。大学でどのような勉強をしたとしても、ロースクールに入って勉強すれば、法曹人になれるので、文科や医療、商業、工業など、様々な方面の素質を持った法曹人が出てくる基盤でもある。

    ロースクール導入当時にも、大学教育、特に法科大学院教育が高試勉強に集中して、正常な教育が行われていないという話があった。ロースクールが生じた場合に、学部教育が正常化されるという期待もあった。しかし、ロースクールが生じた後、大学の人文学部は絶望的な状況に至っている。

    韓国のロースクールは、米国や日本とは異なる。申請をした大学には、すべての認可を与えた日本とは違って、韓国は厳しく制限した。司法試験の定員とほぼ同じ水準で、ロースクールの入学定員を定めたのだ。

    そうしたら、ロースクールがある大学とない大学間に背離も生じて、ロースクールに入ることが難しくなった。韓国のロースクールは、社会的弱者に配慮するため、奨学金を支給するというが、授業料全額支給対象者は約15.8%程度だ。現在、ロースクールの在学生のうち、年収2600万ウォン以下の在校生の割合が22.3%というから、奨学金を受け取れない学生が高価な授業料を出そうとすると死ぬほど大変なはずだ。

    ロースクールが25校に限られた理由として、学生を教える教員が不足しているなどの理由を掲げているが、ここに同意する人はあまりいないだろう。

    来年初めの最後の司法試験を控え、今、司法試験の存置可否に対する議論が熱くなっている。

    ロースクールに対する内容を盛り込んだ弁護士法は、付則に最後の試験は2017年だと明らかに明示している。これを破って、司法試験を存置すると、明らかに政府が約束を破る形になる。

    しかし、社会環境の変化に応じて、法の内容は無数に変わってきた。制定されてから1年で改正されたり、廃棄になった法案は、いちいち挙げれないほど多い。現行法に明示されているだけで、司法試験を完全に廃止すべきだという主張は正しくない。

    巷には何も持ってない貧寒たる家の子供たちも竜になり昇天する機会である司法試験を存置することが機会均等の憲法精神にも合っていると思う。ここに100%同意するのは難しいが、現在のようにロースクールの入学定員を厳格に統制する状態では、司法試験を並行するのが正しいと思う。

    ロースクールのバランスを合わせるために特例入学で一部の学生を選んだりはするが、非常にごく少数に過ぎない。司法試験のように、自分が望んでも法の勉強ができるわけではない。誰でも法曹人になれる土壌をどのように造成するだろうか。このような議論が真剣に行われる時点だ。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2015-12-25 08:00:00