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[コラム] 丙申が六甲する年
丙申年、元旦の朝に
- 韓国には「病身(ビョンシン)が六甲(ユクカプ)する(愚かな人が柄にないことをする時に皮肉る語)」という言葉がある。あまり耳に心地よいものではない。
韓国の言葉で丙申(ビョンシン)と病身(ビョンシン)の発音が同じであるため、2016年の一年は、これに対するあらゆるな言葉が飛び交うと思う。すでに電波に乗ったりもした。
去る12月12日に放映されたMBC『無限挑戦』で、こんなくだりが出てきた。
「2016年は、チョン・ジュナの年になると思います。2016年は何の年?」
「ビョンシンニョン(丙申年)」
「うわー、本当にジュノ兄貴(チョン・ジュナのニックネーム)の年だね。チョン・ジュノ!ビョンシンニョン!」朴槿恵(パク・クネ)大統領を批判するためにも使われる。例えば「パク・クネ、ビョンシンニョン支持率」< MBC『無限挑戦』キャプチャー >
病身が六甲するという言葉は、明らかに悪口であるが、みんなが心深く刻む肝心な部分がある言葉でもある。六甲という言葉の意味を知らず、これが悪口なのか、悪口ならどんな意味で相手を非難しているのかを知ることは難しい。
もちろん、悪口を言う人が言葉の意味を明確にして罵る場合はあまりない。ただかっとなって口から出てくるのが悪口であるが、それでもきちんと意味を知って言うほうが、もっとコクのある悪口になるだろう。
六甲とは、六十甲子、つまり十干と十二支を数えることを意味する。まず、下の図を見てみよう。めまいがするほどの図だ。六甲を計算するためにポケットに手を入れて数えたり、左手の服の袖に右手を入れて指で計算したりもするが、普通の人はあきらめる。そのため、愚かな人がこれをするというのは、とても簡単ではないだろう。このような意味で生まれた悪口だ。
能力がない人が偉そうに振舞ったり、何も知らないで出しゃばる人に使う悪口が「病身が六甲する」なのだ。
ところが、六甲にはこの他にも神通力という意味もある。六十甲子を思い通りに使う調和、東にちらっと西にちらっと瞬く間に、アンドロメダまで行く遁甲という意味が六甲に込まれているということだ。
丙申六甲、2016年は遁甲の歳月が始まるという話もある。韓国の道人のうち、1人であるチュン山の姜一淳(カン・イルスン)は、「甲乙青龍が力いっぱい走って、六丁六甲を掃き寄せるときは、正気の者は珍しいだろう」という言葉を残したりもした。
今年、東アジアでの政治的激変が予告されている。韓国では4月13日に国会議員を選ぶ総選挙が実施されて、日本でも7月末に24回の参議院選挙がある。雨傘革命が起きた香港でも未来を分ける立法院選挙が行われる。
東アジアで力の均衡を合わせる米国とロシアでも選挙が予告されている。選挙の結果に応じて、東アジアの政治環境に変化が生じるだろう。選挙に出る各国の国民一人一人の指先で彼らの未来を書くページが広がるだろう。
丙申が六甲をする年。東アジア住民みんなが、自らの未来を明るく繰り広げる自由人であってほしい。 - O2CNI Lim, Chul | 入力 2016-01-01 08:00:00