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「テランの皇帝」イム・ヨファン、人工知能からの挑戦があれば必ず応える

「勝敗の予測は難しいが、人工知能のテストにスタークラフトが大きな役割を果たすだろう」 

  • 1998年にブリザードから発売された戦略シミュレーションゲーム「スタークラフト」は、韓国の文化史の流れを変えた巨大な事件として評価される。全国各地にPC房(ネットカフェ)​が次から次へと登場し、大学生はビリヤードのキューの代わりにPCのマウスを握って友情を築いた。プロゲーマーという新しい職業群が誕生したのもスタークラフトのおかげだった。2004年にプロリーグ決勝戦が行われた釜山の広安里には、なんと10万人の観衆が殺到するほどの人気だった。スタークラフトを取り上げるときに欠かせない人物の一人が「テランの皇帝」と呼ばれたイム・ヨファンだ。奇想天外な戦略で優勝し「戦略ゲームとしてのスタークラフトの価値」を正しく見せてくれた。

    囲碁の種目でイ・セドルを下したGoogleが「次の相手はスタークラフトになるだろう」と明らかにし、アルファ碁とプロゲーマーの対決が実現するのかに関心が集まっている。イム・ヨファンは「アルファ碁との戦いに勝てるかという質問を耳にタコができるほど聞いた」とし、「ただ重要なのは勝敗そのものではないようだ」と笑った。

    「なぜGoogleがスタークラフトに注目しているのかを知るべきだ。囲碁とスタークラフトは似ている点が多い。しかし、スタークラフトは、1秒を争う状況で即時決定をしなければならない特性がある。少し反応が遅いと瞬く間に兵力をすべて失う可能性がある。このような点から、Googleが人工知能の危機対処能力やリアルタイムの状況判断能​​力をテストしようとスタークラフトに興味を示したのではないかと考える」

    イ・セドルの戦いを見ながら、彼はいろいろと考えたという。驚異的な圧迫感を克服し、ついに1勝を獲得した不屈の闘志を見て、少なからず感動も受けた。最初は勝敗自体が話題だったが、時間が経つにつれて人間が次のステップへと進化するための実験舞台をGoogleが作っているという想念に引き込まれた。彼は「4回の敗北ではなく、1回の勝利に注目したい」とし「イ・セドルの1勝は人工知能が人間の能力をまだ完全に圧倒していないという希望を示している」と診断した。

    「兵力を機械的に隙間なく引き出す能力だけは人間が人工知能に追いつくことはできないだろう。しかし、変化に富んだ状況で人工知能がどのように対処できるかは疑問だ。ここで勝負が分かれると思う。人工知能の限界をテストするために、スタークラフトは絶好の機会を提供するだろうと感じる」

    彼は、もしアルファ碁が挑戦状を投げてきた場合、当然、その挑戦に応えると力説した。「人工知能が発展する歴史的な瞬間に参加することができて光栄だろう」と話した。モニターを間に置いて競って見れば、人工知能がどのように発展したのか、体で先に体感することができるということだ。

    「アルファ碁と対決できるのであれば、兵力を大量に使って真っ向勝負をするよりも、地形地物を利用したゲリラプレイをすると思う。速断するのは難しいが勝算があると考える。個人的に自信がある心理戦も考えたが、感情のない人工知能を相手には無用の長物であるようだ。私が勝てば繊細な人間の能力が無限であることを証明することになる。しかし、人工知能が勝っても、その技術力が人類の発展に寄与するものだから、それもまた意味があるのではないか」
  • 毎日経済 ホン・ジャンウォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-03-16 11:19:12