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[コラム] がんは不老長寿のカギ?

  • がん(癌)的な存在。

    何を意味する言葉でしょうか。もちろん、家族や社会にひどいことをする手に負えない人という意味です。しかし、1度や2度間違ったからと、がん的な存在と言われることはありません。絶えず周りの人々を苦しめて、追い払おうと努力しても、それでも周りをうろつく程度になると言われる悪口です。

    なぜかというと、がん、正確に言えば、がん細胞は死なないからです。さらにはがん細胞は老化もしません。延々と分裂し、永遠の命を求めています。

    がん細胞の秘密は、テロメア(telomere)にあります。もう科学者も医師も、このような事実を知っています。やがてがんを克服する日が到来しそうです。

    テロメアは染色体の一番端にある部分です。ギリシャ語の「テロス(telos / 終了)」と「メロス(meros / 部分)」の合成語です。科学者たちも最初はなぜ不必要なものが染色体に付いるのかと困惑したそうです。テロメアには遺伝情報が含まれていないからです。

    「自然には無駄がない」という事実が確認されるまでには、さらなる研究が必要でした。細胞が分裂するほどにテロメアが減るのですが、ある程度まで短くなると、細胞分裂が停止します。テロメアは染色体を保護する盾だったということです。

    もちろん、若い細胞のテロメアも破損します。このとき、テロメアの合成を助けてくれるテロメラーゼ (telomerase)という酵素が出て、テロメアが減ることを防ぎます。このような事実を明らかにしたエリザベス・ブラックバーン(Elizabeth Blackburn)の研究チームはノーベル賞を受賞しました。

    がん細胞ではテロメラーゼが盛んに分泌されることも明らかになりました。テロメアの秘密を明らかにすれば、がんを攻略することができます。人体の中から永久追放することができます。ところが、がんを治療するだけにとどまるでしょうか。

    そんなはずがありません。テロメアの秘密は、老化の秘密です。老いたり、死んだりしない存在への夢を実現することができるということです。がんは、この秘密を解き明かすために与えられた暗号なのかもしれません。

    不老長寿の薬を見つけるために海の中を探索したり、ヒマラヤの谷をあさる必要もありません。仙人になるために深山幽谷で岩と向き合って数十年間、結跏趺坐で座っている必要もありません。

    仙人になる方法は、実験室で明らかになることでしょう。もちろん、お金が必要です。実験をするためにも、実験の対価を享受するためにも。

    テロメアの秘密がひとつひとつ暴かれるとしたら、どんな世界が来るでしょうか。テロメアの治療に医療保険が適用されない以上、非常にごく少数の金持ちだけが若さを満喫することができるでしょう。

    毎年、数億ウォンをかけてテロメアの治療を受けたとしても、金持ちには大したことではないでしょう。死ぬことも老けることもないのですから、おそらく財閥2~3世はすごく悔しいことでしょう。生涯の終わりころになって、ようやくトップの座に就く日が来るのでしょうから。

    父親がまた東京の研究室にテロメア治療を受けに行ったという知らせを聞いて憂鬱になった財閥2世がお酒を飲みに向かう途中、非常に年老いた老人に出会います。 「なんだ、この貧乏人は」

    富を判別する基準が邸宅でも車でも着ている服や靴でもなく、ただの顔になる日が来るかもしれません。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-03-27 08:00:00