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米国人ビール職人ジツェールスバーガー「私の手作りビールに惚れてみて」

「ビールソムリエ」トロイ・ジツェールスバーガー…韓国ビールがまずいという偏見を変える 

    「チメク(チキンとビール)に代表される韓国のビール文化を変えて見てみたい。ビールがそれ自体でどれほど味と香りが多様な優れた飲料であるかを必ず知らせたい」

    「手作りビール職人」として働くトロイ・ジツェールスバーガー(Troy Zizelsberger)氏(29)は、「ビールをちょっと嗜む」人の間ではかなり有名な人物だ。 2012年に韓国で初めて公認されたシサローン(Cicerone)になり、「ビール判別資格検定」機関であるBJCP(Beer Judge Certification Program)審判官として活動したりもしている。シサローンとは、ビールの味を鑑別する能力を備えた人に与えられる公認認証書のことだ。ワインを鑑別するソムリエ(Sommelier)のような存在だ。

    ビールコンテストの常連審査員として活躍しているうえに、複数の大学の生涯教育院で手作りビールについての講義をしており、手作りビールに魅了されて味の系譜をたどって行くと、かならず一度はジツェールスバーガー氏に出くわす。

    「韓国で手作りビールの関心が爆発的に増えていることが感じられる。私が作ったビールを楽しんで飲んでいるのを見ると幸せになる。好きなことを仕事でしているため、より力が出る」。彼とビールは切っても切れない間柄だ。彼はビール醸造をしていた曽祖父の代にドイツからアメリカに渡ったドイツ系アメリカ人の家系で生まれた。祖父が家で趣味として醸造をするほど、早くからビールに接する文化で育った。彼が 「血管に流れる」ビール本能をちゃんと理解したのは、彼の年齢で16歳の時、先祖のルーツを探してドイツに行った時だった。 「ドイツでは16歳からビールを飲むことができる。地方にある中世時代の城から谷を見下ろし、ヘーフェヴァイツェン(Hefeweizen / ドイツ式小麦ビール)を飲んだが、精神が覚醒するような衝撃を感じた。その運命的な経験が私を作り出した」

    大学卒業後、ドイツの会社で事務職インターンを始めたが、仕事が手につかなかった。私の道ではないという考えに苦しんだ。突破口を探しに東南アジア旅行に出て、出会った韓国の友達に韓国のビール市場の可能性を聞いた。 「見えない手が私を韓国に導いたようだ。ビールを職業にして韓国で生活するようになると誰が予測しただろうか」

    彼は現在、新沙洞カロスキルにある手作りビール店「ホップス(#HOPS)」で働く。ここではジツェールスバーガー氏が誇るビール「済州 IPA」に会うことができる。数年前、彼が他の醸造所で働いていた時に漢拏峰の味と香りを飲料に融合させて作った深い風味のビールだ。

    「私の情熱を込めたビールだ。私が作ったビールを飲む人の幸せな表情を見るとうっとりとする。これがあるからビールを作るのだ」

    彼の噂を聞いて高額の年俸を提示したビール会社のオファーをすべて拒絶したのも同じ理由からだ。 「世の中に唯一の、自分だけのレシピでビールを作りたいという思いが強いからだ。ホップスも既に醸造所施設を備え、さまざまな試みをできるようになった。この世に存在するさまざまな香りをビールに込めるため研究を重ねる。もう韓国のビールを誰も美味しくないと言えないだろう」
  • 毎日経済 ホン・ジャンウォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-04-01 16:08:58