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[筆洞情談] 公務員試験熱風

    韓国の就職世相を風刺した「韓国学生たちの進路」という図表がインターネットに流れている。文系卒業生のうちで大学で商経系列に行く場合、CEOになるかニートになる。CEOは不渡りが出て最終的にチキン屋を開き、ニートは飢え死ぬ。人文系列学科に行く場合、ニートになったり作家になるが、ニートの行き先はチキン屋、作家も飢え死ぬかチキン屋だ。理系の場合、自然系列は飢え死に、工学系列は仕事に疲れて過労死したり、チキン屋に収集される。誰もが「チキン屋を開いたり、チキンを配達したり、チキンを揚げたりして生きることになる」という帰結は当惑するが、社会に対する冷笑が読まれる。そう言いながら、彼らが下す結論は「公務員」だ。

    就業準備生たちが挙げる公務員の美徳は、年金や定年保障などの安定性だ。また、スペックと関係なく試験を受けることができ、採用が比較的公平で、投資するに値するということだ。薄給というのも古語だ。最下位職である9級の初任給も2500万~2700万ウォン水準だ。大卒新入社員(400社平均)の初任給3491万ウォンに比べれば低いが、それでも針の穴ほどの企業より就職門が広い。

    去る9日に行われた国家公務員9級公開採用筆記試験に史上最大人数である22万1853人が受験し、53.8対1の競争率を見せたのも、公務員に命を懸ける韓国の現実を示している。受験生の中には20代が最も多かったが、40歳以上の受験生も1万人を遥かに超えたという。大学入試の代わりに早目に公務員準備に乗り出した実利派の高校3年生や浪人生も増え「20歳の公務員挑戦」のような講義も開設されたという。

    年齢を問わず、性別を問わずに公務員のタイトルをつかむために進撃する姿だ。「公務員試験熱風」が昨日、今日のことではないが、民間の良い職場が減りながら「狂風」になっているのは問題だ。政府庁舎に侵入し、合格者名簿を操作した7級公務員受験生のソン氏は「公務員が必ずなりたかった」と頭をうなだれた。今年初めには、公務員になりたかった忠南の1人の男性が命を絶った。「郡庁公務員試験に合格した」と家族をだまして、1年間、偽出勤していた彼は高利子でお金を借りた負担に勝てなかった。

    既成世代は青年たちが創造的な仕事に青春を燃やさず、安定した公務員の道を選んだと不満を持っている。しかし、就職の絶壁と雇用不安などを考慮すると、彼らの選択を非難することばかりはできない。公務員試験の受験料を上げることで、この異常な熱風を鎮めることはできない。世界は急速に変貌しているのに「モクゴサニズム(ただ衣食住のために生活すること)」のために公務員の夢を持つしかない若者にどのような解決策を与えることができるのか、政府は悩むべきだ。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-04-11 17:28:26