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[コラム] 医師になろうとする理由
- まず、ずっと昔の中国の名宰相に関した話の1コマを聞かせてあげましょう。若い頃、彼は占いがよく当たるとうわさの占い師のところを訪れて、自分が宰相になれるかを尋ねた。
若い彼をあれこれ見た占い師は四柱、運勢、人相に手相まで占ったが、宰相になる運は見当たらなかった。
宰相になるのは難しいという話を聞いた若者はがっかりした様子もなく、「それなら私は医者になれるか調べてほしい」と頼んだ。
占い師は不思議に思った。当時は医師が1番底辺の身分で、卑しい身分だったのだ。宰相になるという抱負を持った人がなぜに医師になろうとするのか。そう尋ねた。
「私が宰相になろうとする理由は一身上の栄達よりは人々を幸せにして楽に生きれるようにしてあげるためだが、宰相になれない運勢なら、医者になって病気の人の面倒を見てあげるのが良い気がして」
占い師は、再び若者を占った。すると、ひざまついてお辞儀をして「あなたの運勢は宰相になるには不足だが、心掛け1つですべてのことを克服することができる」
中国の宰相になろうとしていた医師への道に挑戦した医学生で韓国社会が騒々しくなっている。
数年前に6年の勉強をして、卒業を控えた状態で旅行に行った仲間の女子学生に集団わいせつをしたため、除籍でもない追放措置を受けた学生だ。 2011年に起きたこの事件でわいせつに加担した医学部本科4年生の3人はもちろん、彼らが属していた名門大学も恥をかいた。
この大学の伝統が学祭の時にマッコリを飲んで、「一度の先輩は永遠の先輩」と叫ぶというマッチョ根性を誇るところだったため、学校当局の措置が遅れながら被害女学生を苦しめたという非難も受けた。
医師や弁護士出身の息子である学生は、世間に事件が知られた後にも恥知らずな行動を続けた。被害女子学生を品行が良くない女性として追い込もうという兆候も見えた。小説家のコン・ジヨンは、自分のツイートにこんな文を上げたりもした。
「ヨーロッパ旅行中に高麗大出身の医師からメールを受けた。『お姉さま、その事件に関するツイートを自制してください。その女の子は奇妙な子です』私は尋ねた。 『なぜ？』『男3人と旅行に行って酒を飲む女の子なんて、決まってるじゃないですか』はっ！その時、私は男3人とヨーロッパを回って、ちょうど酒を飲んでいるところだった。『では私も？』」
加害学生たちが起訴された後、その中の1人の学生が医学生を対象に悪質な質問が書かれたアンケート調査をしたという事実も明らかになった。被害者の証言に対する信憑性を落とすための裁判戦略から出た行動だったのだろうが、「被害者はいつも利己的だ（○、×）」、「被害者は普段の生活が乱れていた（○、×）」などが書かれたアンケートを仲間の学生に回した行動は非難を受けて当然だった。
結局、長い訴訟の末、加害学生3人は実刑を宣告され、刑務所で1年6カ月~2年6カ月過ごすことになった。そのうちの1人が、刑務所で勉強をして成均館大学医学部に通っているという事実が一歩遅れて確認されて再び韓国社会を覆した。
周辺に性犯罪者がいるという事実を確認して、女子学生たちが激しい反発をしている。学校当局に一緒に臨床実習をしないように措置を取ってほしいという要求も出された。性犯罪者の前で患者に注射を打つために服を脱げということをどうして言えるのか、という学生の意見もある。
学校当局は、退学などの措置は行えないが、臨床実習の組み合わせでは、女子学生の要求を聞いてあげる方針のようだ。問題の学生は、学校をやめたり、医師になる道をあきらめる気がないようだ。インタビューをしに来た記者にもそのような心情を明らかにした。
ところで気にならないか。医師になってもどうせ過去の行跡があらわれて、患者の忌避人物になるのに、なぜあえてそのいばらの道を歩むのか、筆者は本当に気になってしかたがない。遠い昔に苦しむ人を治療しようとした中国の宰相の心情なのか。よくできた父親の後を継いで士族遊びをするためにだろうか。 - O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-05-01 08:00:00
