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[コラム] 粘り強い根性で呪いを解いたゴルファーのシン・ジウン

  • もしかして「ヤギの呪い」という言葉を聞いたことがあるだろうか。スポーツを楽しまない人にはわからないかもしれない。まず、呪いの内容から紹介する。

    時は1940年代。ギリシャ系移民であるビリー・サイアニスは、プロ野球団シカゴ・カブスの大ファンだった。彼は家族のように大切なペットのヤギをカブスのホーム球場に連れて行き、試合を観戦したりしていた。1945年のワールドシリーズ第4戦が開催される試合も同じだった。ヤギのチケットまで買って競技場に入り、4回まで何事も無く応援し観覧していた。

    ところが、球団オーナーのフィリップ・リグレーの目に付いたのが禍根だった。ヤギが悪臭を漂わせると言って、突然追い出されたサイアニスは呪いを浴びせた。

    「カブスはこれ以上優勝できないことだろう。リグレーフィールド(カブス本拠地名)にヤギを入場させない限り、再びワールドシリーズで勝てない」

    呪いが通じたのか、その年のワールドシリーズでカブスは3勝4敗で優勝の入り口で挫折した。呪いを破る絶好の機会が何度かあったが、100年以上まだ優勝カップを掲げていない。

    シカゴ・カブスは、呪いを解くためにあらゆることをした。サイアニスの子孫を無料で入場させて、ヤギを迎え入れたりもした。昨年には、ナショナルリーグのワイルドカードで進出して決勝戦まで無敵行進を繰り広げた。開幕戦に先立ち、団体でヤギ肉パーティーも繰り広げたという。

    しかし、ニューヨーク・メッツとの試合でダニエル・マーフィーの活躍に振り回され、1ゲームも勝てずにひざまずいてしまった。面白いのはサイアニスのペットの名前もマーフィーだったため、ヤギが復讐しようと野球選手に生まれ変わったのではないかと言われたこと。

    スポーツの世界で呪いは定番でもある。事実、今日は最近、呪いを解いた韓国の女性ゴルファーの話を紹介するところだった。主人公は、今年24歳のゴルフ選手シン・ジウン(米国名:Jenny シン)だ。

    8歳でゴルフクラブを手に取った彼女は、13歳で米国女子ジュニアチャンピオンになるなど、各種大会で優勝して期待を一身に受けてきた。プロとしてデビューした後、たった2年で優勝のチャンスが訪れた。2012年2月にシンガポールで開かれたLPGAツアーHSBCウィメンズチャンピオンズ大会の時だ。

    4ラウンドの最終ホールを残してシン・ジウンは2打のリードをしていた。ティーショットを準備中だったシン・ジウンの耳に「ジェニー、あなたは優勝できない」という叫びが聞こえた。ショットの感覚も良く、上昇を続けていた中だったため、とんでもない悪口だった。ところが、叫び声のすぐあとに雷が落ち、試合中断のサイレンが鳴った。

    試合が再開されるまでの2時間、シン・ジウンはその考えを振り払えなかった。試合が再開された後、シン・ジウンは2打を失い、延長戦に入り苦杯を飲まなければならなかった。以来、数回の優勝のチャンスが訪れてきたが、チャンピオンになることはなかった。

    135大会ぶりにシン・ジウンは呪いを解いた。去る5月1日に幕を下ろした「ノース・テキサス・シュートアウト」で、最終的に優勝したのだ。そして、米国で幸運のお守りとして通じる馬のひづめでデザインされたトロフィーに口づけた。

    呪いを解いた秘訣は何だろうか。

    「優勝できない選手たちは多い。彼らの共通点は、優勝の近くでぐるぐる回る時期が過ぎると、下落して、ある瞬間消える」と、自分の名前が忘れられるのが嫌だったというのがシン・ジウンの言葉だ。忘れられないために、彼女は練習に没頭した。彼女を見守ったマネージャーは、「毒々しいという言葉も足りないほど練習する」と言う。練習量が想像を超えるほどだから、そばで見ていて止めなければならないほどだ。

    「ダメならできる時まで」。このような根性を見て、天も呪いを解いてくれたのかもしれない。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-05-08 08:00:00