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[コラム] 民衆は犬・豚…夢さえもバランスを失った現代社会
- 高句麗、百済、新羅が共存していた韓半島(朝鮮半島)の三国時代で、新羅は最も小さな国だった。ただ、高句麗や百済の侵略から領土を保全するのに汲々とするほどの国力しかなかった。
そのような新羅が、百済と高句麗を破って韓半島に最初の統一王国を建てる。一体秘訣は何だったのか。
一部の歴史家は、外勢(唐)を借りて韓民族の領土を非常に狭い半島に満足させたと新羅の歴史を卑下したりする。しかし、これは、新羅人にとって適切な評価ではない。三国の中で最も勢力が弱かった新羅がついに韓半島の主人になったため、新羅人としては夢を叶えたのだ。夢!そうだ。
MBCドラマ『善徳女王』は三国統一に対する新羅の夢を話だ。弱い国が生き残るために、むしろ三国統一の夢を持たなければならず、女王は百姓も自分と同じ夢を見ようにさせると誓う。
高句麗と百済は新羅より力が強かったが、統一に対する夢がなかったため、韓半島の主役になれなかった。
英国がEUを脱退するBrexitは、英国人の夢が1つでないことを示す。地域別ではもちろんのこと、世代間にも差がある。裕福な高齢者が若者たちの夢と未来を盗んだという話まで出回る。
国民投票で国の一大事が決定する現代の民主社会では、市民の夢を1つにまとめるのが容易なことではない。グローバル化の影響で、今や夢も思いのまま見れなくなったさなかだ。
中国の小説家余華(ユイ・ホア)は、散文集『私たちは巨大な差の中に暮らしている』で現代社会の夢をこのように診断する。
夢はすべての人が生まれながらにして、元々持っている財産であり、すべての人の最後の希望でもある。すべてを失っても夢だけあれば、再び立ち上がれる。しかし、今は夢さえバランスを失った。
余華はこれについて事例を1つ紹介する。
1990年代後半、こどもの日を控え、北京のある男の子はおもちゃではなく、本物のボーイングの飛行機をもらいたいと話し、西北地域の田舎の村のある女の子は、白色のスニーカー1足をプレゼントでほしいと恥ずかしそうに言葉じりを濁した。スニーカーがほしい願望はあっても容易でないことを知っているためだろう。
さまざまな調査結果は、韓国の青年たちが中国の女の子のように、ささやかな望みも持てるにいることを見せてくれる。子どもどころか、結婚と恋愛まであきらめて生きる青年たちは、寂しい1人だけの空間で1人でご飯を食べて命を延長するのに汲々としている。
彼らに夢を見れるように力を与えなければならない高位管理がこのような言葉を発した。
大韓民国の99%の民衆は、犬・豚とみなし、食べて生きることだけすれば良い。
この発言をした教育部政策企画官は罷免されたが、実際は韓国の政治家と高位官僚の大半が、そのような考えを持っているのではないかと疑ったりもする。 - O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-07-17 08:00:00