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[コラム] 政治スキャンダル、なぜ初期に過ちを認めることができないのか

  • 悲しいことに、韓国の政治史において任期末になれば繰り返し開かれる地獄の門、ゲートが今回も開いてしまった。歴史が繰り返される習性を持っているせいか?もしくは歴史から何も学ぶことができなかったせいか?

    政治的大型スキャンダルを意味するゲートはニクソン大統領のウォーターゲート事件から始まった言葉だ。ウォーターが切られた場所を別の事件が担えば新しいゲートが開く。例えばモニカ・ルインスキーとの不倫スキャンダルで弾劾の危機に陥ったクリントンのジッパーゲート。

    ウォーターゲート事件は1972年米国大統領選挙当時、民主党本部があるワシントンD.C.に位置するウォーターゲート・ビルに盗聴器を設置しようと侵入した五人組が逮捕されたことから始まる。

    1972年の選挙にてニクソンは圧倒的な支持率で再選が確実視されていた。ウォーターゲート・ビル侵入事件についてFBIが捜査を開始した状況でも、米国49の州にて勝利し、圧倒的な再選を成功したほどだった。当時の大統領選挙では民主党がとても支離滅裂であったため、汚い策略など動員する必要はなかった。

    不法侵入計画はニクソンの再選委員会にて情報収集業務を担当していたゴードン・リディが計画したものだ。ゴードン・リディが最初に委員会に提示した情報収集計画は、民主党事務所盗聴の他にも民主党政治家とメディア記者尾行、恐喝脅迫、強盗偽装侵入、拉致および襲撃、CIAとFBIを動員した個人情報流出、虚偽事実の流布、記事の操作、高級コールガールを乗せた豪華ヨットへ民主党の政治家誘引などが含まれた100万ドルを超える予算を要する計画だったという。内容が滅茶苦茶であるため、委員会は承認しなかった。

    その後一週間後にゴードン・リディは50万ドル相当の計画を手に登場し拒否され、最後にとても安価(?)な25万ドルの計画を提示する。二度も提案を棄却した委員会の幹部たちも三度も棄却することが難しかったのか承認をした。会議に最初に参加した委員だけが反対したという。

    委員会を説得したゴードン・リディの戦略は「拒否後の譲歩戦略」として交渉の代表的な戦略事例に挙げられたりもする。このような戦略を駆使したゴードン・リディは頭脳明晰な人物だ。

    圧倒的な勝利で二度目の任期を迎えたかったニクソンの心情を見抜いた頭の良い参謀の過剰忠誠だろう。ウォーターゲート事件が起きた際、これを自認したとしてもニクソンが再選にて勝利する可能性は高い。

    しかしCIAを動員してFBI捜査を防ごうとし、特別検事を解任し、事件を事件を隠蔽し、偽りの証言をしたために弾劾の危機に追い込まれ、最終的に大統領職を辞任した。

    不思議なことに、ほとんどのゲートはウォーターゲート事件を踏襲している。微々たる事件が発端となって世間に知られた後、疑惑を全面否認し、証拠を操作して事件を縮小したり覆い隠そうとしてより大きな不正が明らかになり、ついにはどん詰まりに進む結果まで一様だ。

    なぜ初期に過ちを自認し収集することが正しいという教訓を学ぶことができないのか?人生が嘘で綴られているためではないか?過ちを認める資質を持つことができないため、最後まで追い込まれて仕方なく認めることになるのではないか?そんな考えが浮かんだりもする。

    自分が持つ権力の力によって事件をもみ消すことができると考えることもできる。ともすればこちらの方が適切かもしれない。そのため絶対的な権力は国民にも、そして自分にとっても危険なものだ。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-10-30 08:45:00