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[筆洞情談] 群衆の力
- ニューヨーク・マンハッタンの繁華街でスタンレー・ミルグラムという心理学者が実験を行った。助手たちに空を見上げるようにしたところ、通行人たちが思わず真似をした。助手1人が空を眺める時、通行人の40％が真似したが、助手15人が空を見上げているため、通行人85％が真似をした。
社会生活をする人間は、同調心理と群衆心理を持っている。自己主観がはっきりしない人が他人の考えに合わせて精神的な安定を見つけようとする時、社会心理学では同調心理と表現する。また、群れの中で声が大きく力のある少数意見に同調しながら、衝動的、即興的に表現される心理状態を群衆心理という。冷徹な理性と論理で武装してこそ、このような同調・群衆心理に勝ち抜くことができる。
朴槿恵（パク・クネ）大統領の世論調査の結果が、故障した計測器の目盛と同じだ。支持率は4％まで下がり、国政遂行の否定評価は90％を超えた。「朴槿恵即刻退陣の日」と名付けられた3日のろうそく集会には、全国から主催側推算で232万人が参加した。警察推算では42万人だ。どちらの数字であれ歴代最大規模だ。世界のメディアは、毎週大きくなっていく韓国人の怒りのエネルギーに驚く。それとともに疑問を持つことも事実だ。ワールドカップサッカーの街頭応援、黄禹錫（ファン・ウソク）熱風、狂牛病ろうそく集会などと、韓国人が噴出してきたエネルギーの中には、群衆心理や同調心理がにじみこんでいるのではないかという視線だが、事実とは差異がある。
6次にわたった今回のろうそく集会は、まさに平和的に進行された。衝動的、過激的、非合理的という群衆心理の特徴は、どこででも発見しにくい。朴槿核ドットコムという弾劾請願サイトには、75万人以上が参加した。そこには、空を見上げるサクラ助手もいない。それでも世論は巨大な津波となった。
この驚異的な韓国のエネルギーをどこへ導いていくのかは、今や国会次第だ。経済・外交・安保の脅威が一触即発で、民心は咆哮している。
9日に票決される朴大統領の弾劾訴追案にも、国会議員らはいつものように、政党・派閥の利益に合わせて同調票決する可能性があるが、これまで以上に重い責任を負うべきだろう。ひたすら冷徹な理性で、独自的な判断に基づいて採決することを促す。 - 毎日経済 チェ・ギョンソン論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-12-05 20:26:42
