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[筆洞情談] KTX世宗駅

    2008年、バラク・オバマとランニングメートとして乗り出し、米国副大統領を手にしたジョー・バイデン上院議員は、列車通勤で有名になった。家があるデラウェア州ウィルミントンからワシントンD.C.の上院議事堂まで、電車で毎日通勤していたのだ。往復250マイル(400キロ)の距離を毎日のように、なんと36年間も通った。

    米国国営鉄道アムトラックは、列車通勤に縁を結んだバイデン副大統領就任後の2009年、13億ドルの国庫の支援を受けて放置された懸案を解いたりもした。ウィルミントン市と駅当局は、補修工事をしながら駅の看板に「ジョー・バイデン・ジュニア駅」と名前を変えて掲げて報いた。

    最近、世宗市と周辺では、KTX世宗駅の新設問題をめぐり、甲論乙駁している。2014年2月、世宗市が出した2030都市基本計画に駅の新設案を含んで触発され、市長選挙と国会議員選挙に一部の候補らが公約に掲げた。去る8月に韓国鉄道施設公団が平沢(ピョンテク)~五松(オソン)線の容量拡充の妥当性調査用役を発注し、世宗駅の設置の影響が含ませたが、結果発表を控えてこの問題が再び浮上している。

    世宗市周辺には20キロほどずつ離れた五松駅と公州(コンジュ)駅があり、その郊外に天安牙山(チョンアンアサン)駅と大田(テジョン)駅がそれぞれある。世宗駅が入りながらソウルを行き来しなければならない公務員や各部処に業務処理のために訪れる市民らの便宜が高まるという期待だ。しかし、反対する側では、世宗駅が新設されると、通勤に置き換えて世宗に定着しようとする移住民が増えず、自足機能を阻害するという論理を広げる。世宗以外の忠南北地域民らは、自身の町に与える経済的損失を掲げ、さらに一歩積極的に防いでいる。

    世宗駅の新設を近くの五松駅と公州駅に加えられる重複投資の観点でアプローチすることはない。ソウル~世宗を行き来する公務員と市民の利便性の向上と道端に撒くコストや時間を節約次元で、効率性を向上させる方案として見なければならない。

    今月からは釜山と木浦(モクポ)行のKTX列車が、水西(スソ)駅からも出発する。湖南線は龍山(ヨンサン)駅、京釜線はソウル駅で画一的に分かれていた出発駅も入り混じる。利用客に選択の幅を広げ与えようとする配慮だ。KTX世宗駅も、投入コストに比べて消費者便益が大きいなら、延ばさず決断を下すべきだ。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-12-11 09:25:32