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12年ぶりに繰り返された弾劾の車輪

  • 運命の車輪が回って、回る。大韓民国の憲政史上、2度目の大統領弾劾案が国会を通過した。

    初期に予想されていた賛成票よりもはるかに多い票が弾劾に賛成した。国会の在籍議員300人のうち、投票をしなかった朴大統領派の崔 炅煥(チェ・ギョンファン)議員を除外した299人が票決に参加し、賛成234票で可決された。

    反対と棄権はそれぞれ56票と2票、そして7票が無効となった。

    この日、国会の弾劾票決の光景は12年前、故・盧武鉉元大統領が弾劾されたときと、大きく異なる風景だった。総選挙を控えて、「国民がヨルリンウリ党を支持してくれると信じている」という発言が選挙法に違反したということで弾劾案が上程されたとき、ヨルリンウリ党の議員が国会議長席を占拠して抗議と涙で訴えたために、議長が秩序維持権を発動してようやく票決が行われた。

    しかし、朴槿恵大統領に対する弾劾票決は終始、秩序が維持された。投票が宣言されると、与野党の議員は並んで投票ブースに入り、投票権を行使し、朴大統領派の議員たちも諦めたように、最後には投票ブースに入って行った。

    12年前、朴槿恵大統領は弾劾案に対する投票を終えて、明るく笑っていた。そして、2016年12月9日、自身が弾劾の対象になった。

    盧武鉉大統領が権力の座から退いた後にも、保守政権の終わりのないいじめが続き、最終的には自殺で人生を終えてしまった。

    李明博政権の捜査検事たちは盧武鉉元大統領の不正事実を調べるために泰光実業を徹底的に調査した。物証が見つからないと、朴淵次(パク・ヨンチャ)会長の自白を引き出すために、子どもたちについても調べ上げた。このように偏っていた強圧捜査にも関わらず、検察が明らかにできたのは大統領の夫人が10億ウォンとブランド物の時計を受け取ったという事実がすべてだった。

    大統領に対する起訴が難しくなると、捜査当局は捜査内容の一部を大げさにメディアに垂れ流したりもした。

    捜査責任者だったイ・インギュ当時大検中央捜査部長は良心の呵責から「国家情報院のメディア工作」だと打ち明けた。匿名の取材員を動員するレベルのメディア工作ではなく、工作政治なみのレベルだったという告白も続いた。

    盧武鉉元大統領がその人生を終えた後にも「巨額の借名口座がある」という虚偽の事実を流したチョ・ヒョンオ全警察庁長は死者名誉毀損の嫌疑で起訴され、8カ月の実刑宣告を受けた。そして、捜査の実務責任者だったウ・ビョンウ前青瓦台(大統領官邸)民政主席は特検の刃の上に立たされている。

    盧武鉉大統領を死へと追い込んだ主役たちが審判をうけているような状況だ。見方を変えると、青瓦台で行われたと疑われている宗教儀式は、盧武鉉元大統領の怨みから逃れるための祭礼だった可能性もある。

    12年前、弾劾案が可決された後、韓国の市民たちはヨルリンウリ党にすさまじい票を集め、圧倒的な1党に作ってあげた。それにもかかわらず、世界を手に入れた後、自分勝手な態度だけを見せた与党議員の無責任な行動により、韓国の民主主義を一段階発展させることに失敗した。

    歴史の車輪が回っても、これだけは繰り返してほしくない。弾劾がもたらす政局の地形の変化が韓国民主主義の質的な成熟をもたらしてくれたらと願う。政権だけを見つめるヒマワリのような検事も退いて、ひたすら国民の為だけの、国民の視線を恐れるそんな政治が韓国の地で花開いたらと思う。
  • Lim, Chul / 写真:YTN画面キャプチャ | 入力 2016-12-11 08:55:00