記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > オピニオン

[コラム] 図々しい奴の全盛時代

  • なんと8年間新聞に掲載された連載小説があります。ソウルで発行される文化日報に2400回にわたり連載された『強顔男子』です。

    野生を生きていく度量の大きな詐欺師の成功を扱った物語です。19禁小説の中の主人公の成功の秘訣は、小説のタイトルに記載されていますね。強顔。顔が強いとはどういう意味でしょうか?

    この小説を書いた作家イ・ウォンホは、『強顔男子』という小説のタイトルを中国の『神序』に出てくる強顔女子から借用したそうです。強顔女子は羞恥を知らない面の皮が厚い女性を指しました。厚顔無恥と同じ意味でしょう。

    韓国の言葉で人の面や外観という「人間の皮」という言葉が、強顔と似たような意味でしょう。顔だけが人の姿だっただけけで、騙された獣や悪魔や他ならないことを意味します。人間の皮を被ったため、表は正常な人のように見えても、恥ずかしくて悪事を犯しても表情に全く現れないでしょう。

    主人公チョ・チョルボンは、手段と方法を選ばず女性を翻弄します。一時火のように起きた悪い男性シンドロームの代表格として遜色がないですよね。実際、女性読者たちも小説『強顔男子』とこれを劇化したキム・ソンモ画伯の漫画にすっかり陥ったりもしました。

    しかし、チョ・チョルボンの図々しさにも襟度があります。

    彼に従える部下が、作業した女性にもっとちょろまかそうと言った時、チョ・チョルボンはこのように話します。
    「私はたとえこのように作業した女性にがっかりするが、無理なことはしない。古くから人は事業マインドがあるべきなのだ。世界のすべてのものは節制だ。女性も、事業も、賭博も…!」

    チェ・スンシル(崔順実)ゲート、いや朴槿恵(パク・クネ)ゲートを見ながら感じた感想は、登場人物たちの図々しさにあります。
    到底逃げられない証拠を突きつけて初めて、「それはそうだが」としぶしぶ認めるでしょう。図々しい顔の裏には偽りと恥知らずが隠れています。

    去る2016年11月初め、青瓦台から『強顔男子』を連載する文化日報に対して絶読を宣言しました。表面上打ち出した理由は、青瓦台に勤める女性たちの意見が「『強顔男子』があまりにも扇情的だ」と抗議したためだということでした。小説が扇情的なら、見なければいいはずなのに、新聞購読を止めることが果たして妥当な措置だったのでしょうか? という疑問が自然に出てきたりもするでしょう。

    おかげで、『強顔男児』はむしろ有名になりました。青瓦台で91部、国政広報処で20部の納品が切断されましたが、新しい読者が生まれたのです。

    青瓦台とゲートにかかわった人たちの言動を見ると、図々しさが極に達しているかのようです。彼らには小説の主人公が人生哲学と考えた襟度さえもないようです。そのため権勢を握って、富貴栄華を享受したのでしょう。

    図々しい顔を持つ人がどこにゲートの主人公たちだけだというでしょうか。聴聞会に出てきた証人たちはもちろんのこと、証人を尋問する与野の政治家たちの顔にも強顔がかすめていきます。市民のろうそくで動き始めた歴史の車輪に楽に便乗しようとする元外交官の顔にも厚顔無恥が漂っています。

    どうか市民たちが灯したろうそくが、図々しい顔から人間の皮を剥がすことができればいいだろう。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-12-25 08:55:00