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[筆洞情談] 論文審査費・レッスン費の二重構造

    レベルの高い先生たちから教えを受ける公式の窓口があるという話に耳がぱっと開いた。音楽に門外漢である親として、近道を知らずもどかしかったが、砂漠でオアシスに出会ったようだった。音楽を勉強する子どもの、幼い頃の話だ。

    芸術の殿堂の英才学校と韓国芸術総合学校の予備校だった。米国の音楽専門学校であるコンサバトリーで運営するプレップスクール(preparatory school)を模倣したものだ。小学校から高校生まで、オーディションを経て選抜する。厳格かつ客観的な審査に信頼がおけた。そうそうたるキャリアの講師や教授と一対一で組まれ、週末にレッスンを受けた。毎学期、事務所に登録金だけを支払えば、他の費用を出さなくてもいい構造だった。

    しかし個人別レッスンを開始した後、事情は変わった。学校で決められた時間に満たせなかったことを、教授の私的な場所で補完しなければならなかった。別途で訪れる時は、毎回別途のレッスン費を持っていった。他の人々もそうするのが慣行だと言った。抗弁する道理なしに、公的窓口と私的窓口が入り乱れる二重構造に捕獲されてしまったわけだ。

    大学で修士や博士などの学位論文の審査時に渡す審査費も、堂々と二重構造が通用される。登録金に論文の審査費を合わせて支払うが、別途に論文作成者に負担を負わせる。延世大と中央大は登録金だけを支払えばいいのに対し、ソウル大と高麗大などは追加で支払うようにするということだ。外部審査員には交通費や食費などの「車代」をさらに与えるが、これを論文作成者が担当する方式だという。

    昨年9月28日から発効したキム・ヨンラン法(不正請託禁止法)では学位論文の審査料と関連し、審査教授に食費などを提供すれば、学生と教授の両方が制裁の対象だと釘をさしている。このために、外部教授らが他の学校の生徒の論文審査を敬遠しているという。時間を割いて交通費や食費に自分の金まで使わなければならないため、拒絶するほかない。大学教授には学生の学位論文の審査は、費用を受けとらずに行う日常的な業務であるべきだ。外部審査員を委嘱するなら、その費用は当然学校が出すのが正当だ。音楽のレッスンでも学位論文審査でも、公的に定められた規定と別途の私的な補償を黙認する二重構造はすみやかになくなるべきだ。どの分野でも表裏不同と言うのは恥ずかしいことだ。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-01-14 07:33:10