記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > オピニオン

[筆洞情談] 党名の洗濯

    韓国政党史の不文律ひとつ。大統領が作った政党は、大統領の退場を前後して消滅する。李承晩の自由党、朴正煕の民主共和党、全斗煥の民主正義党、盧泰愚の民主自由党、金泳三の新韓国党、金大中の新千年民主党、盧武鉉のウリ党がそうだった。セヌリ党の前身であるハンナラ党は金泳三政府末期から李明博政権最後の年まで、15年間という長寿を享受した。これが可能だったのは15年の前半10年が野党だったからだ。

    セヌリ党が発足5年にして党名を変えるという。19代総選挙を控えた2012年2月、朴槿恵当時ハンナラ党非常対策委員長主導で変えた党名が今のセヌリだ。セヌリ党がなくなれば大統領と大統領が属していた政党が一緒に退場する伝統は、今回も例外なくつながることになる。名前を変えることは、過去との断絶を宣言する行為だ。

    韓国政治において新しい大統領は、政権交代や延長に関係なく、まずは前任者の時代を否定してみる。その最初の作業は、当名の変更だ。民自党は第5共和国の否定、新韓国党は第6共和国の否定、セヌリ党は李明博政権の否定だ。

    否定の政治が持つ欠陥は何かが蓄積されにくいということにある。党名だけでなく、国のアジェンダも、政策もすべて変わる。良く言えば「5年ごとの新しい出発」で、悪く言えば「5年ごとの原点」だ。状況の変化に一喜一憂せず、何か大事なことをしつこく発展させていくことが保守だとしたら、韓国にはそのような意味の保守政党はない。

    頻繁な党名変更は浮薄な印象を与えるだけでなく、つまらない商売根性を含んでいる。セヌリ党はハンナラ党と何が違うのか。名前が違い、大統領の親衛集団が親李から親朴に変わったほかに差別点があるのか​​。公認と選挙による自然な世代交代を除けば、民自党時代と比較しても党の政綱や傾斜は大きく変わっていない。それでも党名を変えるたびに世の中になかった政党が新たに生まれるかのように、古い名前と一緒にこれまでの積弊を一掃するかのような大げさな振舞いを見せる。名前を一つ変えるからと古い皮がむけるのであれば、それなりの価値はあるが、概して剥がれ飛んで行くのは皮ではなく、伝統だ。いろいろとほろ苦い味を醸し出す保守政党の「党名洗濯」だ。
  • 毎日経済 ノ・ウォンミョン 論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-01-21 07:46:00