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[コラム] 風刺、または人格殺人?

  • 下の写真はセヌリ党を離党したハ・テギョン議員がSNSにあげた写真です。
    共に民主党ピョ・チャンウォン議員が、「表現の自由に向けた芸術家たちが風刺連帯」と一緒にした絵画展「Soon Bye」に出品された作品ですね。

    国会議員会館1階ロビーに展示されたこの絵に登場した人物が誰なのかは言わなくても分かるでしょう。
    絵の中で、朴槿恵(パク・クネ)大統領はセウォル号が沈没する中で快適に眠っています。腹部には、父親である朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の肖像写真とTHADD(サード)と書かれたミサイルが置かれていますね。ベッドの横にはチェ・スンシル(崔順実)が寝ている大統領を守っています。注射器の束を持った姿が起こすなと注文をすることとしても解釈できそうですね。

    『汚れた眠り』というタイトルがついた絵は、世界的名作であるエドゥアール・マネ(Edouard Manet)のオランピア(Olymia)をパロディした作品です。

    ハ・テギョン議員がSNSにこの作品を紹介した理由は、作品を宣伝するためにではありません。自分も朴槿恵大統領を批判するが、大統領の裸を描いた絵は襟度を超えたと批判するためでした。
    ハ・テギョン議員は、絵が暴言を絵で表現したのと同じだとし、自分はこのような非常識なことを広く知らせ、画家を孤立させると明らかにします。

    果たして大統領の名誉を毀損した汚れた作品でしょうか? それとも表現の自由を認められるに値する風刺物でしょうか?

    考えてみれば、マネのオランピアも初めて展示された当時は順調ではありませんでした。評論家たちのブーイングを受けた作品は、目立たない天井の下に移されたでしょう。

    当時、オランピアに加えられた酷評の理由は非常に簡単です。モデルの裸体を理想化させなかったということですね。神話や寓意のベールを使わず、女性の素っ裸のお尻をそのまま描いたという理由からでしょう。裸の女性はビーナスか赤ちゃんのイエスに母乳を飲ませる聖母でなければならないのですが、なぜ闇の女を描いたのかと観覧客たちが憤りを爆発させたのです。

    もちろん『汚れた眠り』を描いたイ・グヨン作家は、言いたいことが多いでしょう。「裸の王様」のような現職大統領の実像、セウォル号の7時間が丸裸の状態で現れなかったのか? 裸身でないならこれをどう表現するのかと反問するかもしれません。

    絵に対するネチズンの反応は賛否両方に分かれている様子です。芸術を政治社会問題に活用しただけだ。風刺になぜ感情が入るのか? その絵を見て、誰が朴大統領の裸体だと想像するのか? 「裸体をわいせつの目で見てはならない」というなどの主張が表現の自由側に立ちます。

    いくら憎くても超えてはならないラインがある。大韓民国で表現の自由という名前でこれでいいのか? 一国の大統領を人格殺人しながら正義があると叫んではならない。女性の人権を蹂躙することがいつから風刺だったのかという反論が名誉毀損側に力を加えます。

    これを投票で決定することもありません。社会慣習や文化、時代状況に応じて、感じる感情に応じて、異ならざるを得ないでしょう。

    ただし、この絵はセウォル号が沈没する中、朴槿恵大統領の行跡を批判するために描いた絵ならば、展示会の目的が芸術そのものではなく現在の時代状況を風刺するためだったなら、作家が少しぐらいは深く熟考すべき余地があったということが筆者の判断です。あえて裸身でなくても、ベッドでゆっくり眠った姿だけでも公憤を得ることができたはずですから。公然に裸身を描いて朴大統領の擁護勢力に口実でも与えたのではないかのかと考えてみる点は明らかにあります。
  • O2CNI_Lim, Chul / 写真=ハ・テギョン正しい政党議員 フェイスブックページキャプチャ | 入力 2017-01-30 09:00:00