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[筆洞情談] 尹伊桑コンクール中断危機に遺憾

    尹伊桑(ユン・イサン)国際音楽コンクールは、韓国で開催される大会の中で初めて国際的に認められた栄誉を持っている。国ごと大会ごとに国際コンクールという名称を使っているが、ユネスコ傘下の国際音楽コンクール世界連盟(WFIMC)に登録されてこそ権威と公信力を認められる。尹伊桑国際音楽コンクールは2006年に名前を上げ、その後、ソウル国際音楽コンクールが後に続いた。

    しかし、今年11月開かれなければならない尹伊桑国際音楽コンクールが中断される危機に陥っている。共同主催である慶尚南道と統営市の予算支援に文化体育観光部(文体部)の国費までが加わり、4億ウォンの費用を用意してきたのだが、今年から慶尚南道の2億ウォンが断たれてしまうためだ。文体部は毎年1億ウォンずつを支援し、2015年に5000万ウォンに減らした後、昨年からは一銭も出していない。国費に道費まで断たれることになったため、統営市から出る1億ウォンだけではコンクールを執り行うことは難しいのが実情だ。何よりも今年は尹伊桑先生の生誕100周年を迎える年なのだが、よりによってこんな時に命脈が断たれる危機だなんてとんでもない。

    問題は、2015年から支援額を減らし、結局無くしてしまった文体部の決定が尹伊桑をめぐる古臭い理念論争の余波と、それによっていわゆるブラックリストに含まれたせいで出てきたのだろうという点だ。尹伊桑コンクールは、国庫の支援を受けた音楽事業のうちで事後評価で毎回1位に選ばれたが切り捨てた。慶尚南道は地域懸案事業のうち、優先順位で押されてコンクール支援予算が中断されたが、ホン・ジュンピョ知事のこれまでの行動を見た時、文体部と似た物差しを突きつけた結果と音楽家たちは推測している。もともと2003年に慶尚南道の提案で慶南国際音楽コンクールと名前を付けて出発したため、主導的な役割をすべき慶尚南道が支援を中断したのは 自家撞着に違いない。

    兵務庁も2位入賞まで兵役特例の恩恵を付与する3つの国内音楽コンテストのうち、尹伊桑コンクールを含めるほど価値を認めるが、文体部はかえって意地を張る格好だ。ユネスコ傘下団体で選定し、国際的に認められる隊列に上ったコンクールだが、理念論争の火の粉に巻き込まれて問題のブラックリスト後爆風で開催中断しなければならないなら、他国の人々に説明するのも恥ずかしいことだ。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-01-28 07:17:21