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[コラム] 師任堂は良妻賢母?

  • 『宮廷女官チャングムの誓い(原題:大長今)』以降、なんと14年ぶりにイ・ヨンエが出演したドラマ『師任堂、色の日記』。
    ドラマ放映前から非常に気になっていました。イ・ヨンエが描く師任堂申氏の姿はどうでしょうか?
    良妻賢母? それとも時代を出会い間違った女傑?

    40代に入って気品を漂わすイ・ヨンエが、師任堂役を引き受けるには適格だという気がしたりもしました。ドラマを制作したSBSは、イ・ヨンエが『宮廷女官チャングムの誓い』の熱風を再び吹きつけるのをルを待ち焦がれていたのでしょう。

    ドラマ『師任堂』の現在の視聴率は、このような期待に少し及びません。去る2月9日の視聴率は12%。同時間帯に放映されているKBS2の『キム課長とソ理事~Bravo! Your Life~』(16.7%)の視聴率に遅れをとっていますね。

    イ・ヨンエの期待があまりにも大きかったのでしょうか?

    イ・ヨンエの人気だけでドラマの視聴率の保障を受けようとしたならば、制作陣のミスでしょう。ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』で全世界に名を馳せた韓流スターとはいえ、実際にイ・ヨンエが出演して成功を収めた作品が『宮廷女官チャングムの誓い』1編だったとしても過言ではないんですよ。

    CFモデルとして頻繁に露出し、彼女が出演した製品の広告をつなげて、「イ・ヨンエの一日」というユーモアさえ生まれましたが、出演した映画やドラマの数字がそんなに多くもなく、ヒットした作品はさらに少ないですよね。映画の方では、『JSA(原題:共同警備区域 JSA』が589万人の観客を集めて興行に成功しましたが、主演というには比重が少し低いほうでした。映画の方での成功作品は365万人をスクリーンの前に呼び集めた『親切なクムジャさん』(2005)が唯一です。
    『師任堂』の制作陣がイ・ヨンエ1人で成功を期待していたのなら、愚かなことだったという話でしょう。

    結局、ドラマは作品が後ろ盾にならなければならなかったのです。ところが『師任堂』は最初から曲折が多かったですね。『師任堂』に対する解釈からまちまちでした。

    師任堂申氏は、韓国の通貨の中で最も高額紙幣である5万ウォン札のモデルでしょう。しかし、韓国人の中で師任堂申氏を一時代を生きた女流芸術家として記憶している人はほとんどいません。退渓、李滉と一緒に朝鮮儒学の双璧を成した李珥(栗谷)の母親と記憶している人がほとんどでしょう。

    ここには、朴正煕(パク・チョンヒ)政権時代に男性たちが熱狂的に産業開発に飛び込むように、女性を「良妻賢母」の枠組みの中に閉じ込めようとしたためだという疑惑がついて回るでしょう。暗殺犯の銃で襲撃された故・陸英修夫人を師任堂のイメージに被せようとしたという疑いを受けたりもしました。

    そのため、ドラマの企画当時から朴槿恵(パク・クネ)政府によく見せるために、 師任堂を召喚したのではないかという視線を受けたりもしました。

    厳密に言えば、師任堂申氏に「栗谷の母」という束縛をかけたのは、朝鮮後期の学者たちでした。生存していた当時(1550~1551)も16歳にもかかわらず良妻賢母ではなく、女流芸術家として認められました。

    そうするうちに、宋時烈などの儒学者が彼女を「栗谷の母」に格上げ(?)して、芸術家のイメージを失わせてしまいました。「彼女の芸術は、彼女個人のインスピレーションや思想、魂の表現ではありえない。彼女の突出した能力の原因は、彼女が栗谷先生の母であることに起因する」という文まで出てくるほどだから、その言葉に尽きるのでしょう。

    『師任堂、色の日記』の制作陣は、このような疑惑について強く否認します。師任堂を元の場所、男性の時代を生きた女流芸術家に返えすと話しているでしょう。制作陣が意図した「ワーキングママ」の姿が、ドラマでどのように表現されるのか気になったりもします。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2017-02-12 08:58:00