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韓国ゲーム神話の主役①…「バトルグラウンド」キム・チャンハン



    ■ 『バトルグラウンド』キム・チャンハン代表

    「外国人開発者のドリームチームを作って人にやらない新ジャンルを開拓」。

    「企画段階から世界を狙ったゲームを作るために、韓国では試みのなかったサバイバルゲーム形態の「バトルロイヤル」ジャンルに挑戦しました。国内ではこの分野の力量を備えたプログラマが多くなく、海外人材のドリームチームを組みました」。

    PUBGのキム・チャンハン代表と『プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ』(以下バトグラ)開発総括PDが明らかにした制作の動機だ。PUBGの親会社はブルーホール(Bluehole)だ。

    昨年3月、グローバルゲーム販売プラットフォームの「スチーム」を通してデビューしたPUBGのバトグラ人気は爆発的だった。発売13週めで世界累積売上げ高で1億ドルを突破し、昨年の世界市場ではなんと3000万枚も売れた。

    既存のこゲーム強者だった『オーバーウォッチ』を制して、世界1位のPCゲームタイトルを獲得した。

    「バトルロイヤル」は多数のゲーマーがひとつの戦場に参加し、互いに戦いを繰り広げながら、最終的に生き残った1人が勝者となるゲームジャンルだ。不慣れな「バトルロイヤル」ジャンルに挑戦した理由についてキム代表は、「ゲーム界に身を投じてすでに17年が過ぎたが、今までまともなヒット作のひとつもなかった」とし、「どうせうまくいかないなら、これまでにないゲームを作ってみようという思いがよぎった」と語った。

    キム代表はインタビューの中で、堂々と自らを「失敗の達人」と呼んだ。キョンギ科学高校を経てカイスト(KAIST)でコンピューター・サイエンスの博士課程にあった2000年、ゲーム界に身を投じた彼は3回創業に乗りだして、『Sephiroth(セフィロス)』『Punch Monster(パンチモンスター)』などのゲーム開発に乗り出したが続けざまに苦杯を飲んだ。キム代表は「徹底した市場分析もなく、他のゲームと差別化するために失敗したままMe too作品だけを作って出すにとどまった」とし、「バトグラ開発のために市場トレンドを分析し、既存のゲームと差別化するために力を注いだ」と語った。

    PUBGの親会社であるブルーホールもあまりなじみのないプロジェクトなので投資をためらったが、けっきょく2015年にブルーホールのチャン・ビョンギュ議長の決定によって開発に着手することになった。

    ようやくキム代表はゲームの開発に着手したが、また別の難関が待っていた。国内の開発会社は10年のあいだMMORPG(マルチロールプレイングゲーム)にだけ没頭したあまり、「バトルロイヤル」ゲームを開発した経験や能力を積んだプログラマ、原画家、デザイナーなどが国内には皆無だった。開発チームを編成する方法がなかった。キム代表は「バトルロイヤルというジャンルを本格的に誕生させたアイルランド人の開発者ブレンダン・グリーンに注目した」とし、「グリーンは初めはよく知らない韓国という国に来ることをいやがったが、三顧の礼で迎えて総監督として全権を委任した」と明らかにした。他の分野の人材を集めることにも力を傾けた。 Redditのようなグローバルなコミュニティを通じて、実力のある銃器デザイナーや原画作画家、ステージデザイナーなどのうわさをたどってカナダやスペイン、ウクライナなどから「ドリームチーム」を募集した。

    キム代表がバトグラ開発の過程で集中したもうひとつの要素はゲーム中継だった。キム代表は「全世界のゲームトレンドは、単にすることから見せるものに変化することに気が付いた」とし、「ゲーム開発のあちこちに観戦モードを入れて、カメラの角度を調整するなど、ゲーム中継に最適化された環境を提供しようとした」と彼は語る。

    バトグラは昨年3月からTwitch TVやYouTubeなどさまざまなオンラインチャネルで中継され、「面白くて新鮮なゲームが登場した」という口コミによって爆発的な人気街道を歩むことになった。
  • 毎日経済_ユ・テヤン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-01-28 17:19:33