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[コラム] 泥沼にはまったチェ・ミンス

  • 報復運転をした疑いで法廷に立った俳優のチェ・ミンスさんが最終的に有罪判決を受けた。

    チェ・ミンスは判決に先立ち、「相手に言いたいことはないか?」という質問に対して、「言いたいことはないし、自分も許せない」と釘を刺した。

    この事件は双方の主張が食い違っているため、現在としては裁判所の判決に従うしかないだろう。裁判所が有罪判決を下した理由は、報復運転で発生した追突事故と追突事故時に、被害者の運転手が感じた恐怖心、そして何よりも反省していないという点だった。

    双方の立場が大きく食い違うのは、接触事故の後に起きた口論だ。
    チェさんは車を止めた後、「なぜ、そんな運転をするのか?」と問い詰めたが、相手が自分の顔を見て誰だか把握したあと、「山からなぜ下りてきたんだ?」「芸能人として生活ができないようにしてやる」などと暴言を吐いて、自分も手で相手の気分を悪くさせる行動を取ったと当時の状況を伝えた。

    被害者はこの全てを否定している。そして、世論を操作し、いまだに立場を利用して強引な態度を取っていると主張している。

    チェ・ミンスは、このことがある前に道路で老人に暴行を加えたということで苦労したことがある。 老人に暴力を振るって車につないだまま500メートルを疾走したという話まである。

    実は、この事件でもチェ・ミンスは悔しい点が多い。飲食店のオーナーという70代の老人は数百億ウォン台の資産家であり、事件は老人が所有してる飲食店の前に不法駐車された車両のせいで起きた。 不法駐車を取り締まる区役所の職員を老人が立ちはだかったのだ。駐車できなければ、飲食店の営業に支障をきたすからだ。

    区役所の職員たちは、どうすることもできず困ったため 、チェ・ミンスが公務執行を手伝うとして乗り出したが、老人の暴行へと発展したのだ。

    チェ・ミンスは、理由はどうであれ、老人にひざまずいて謝罪した。その後、この事件は無罪という結論が出た。


    チェ・ミンスの事件を見て、以前見た農村ドラマが思い出される。
    炎天下で汗を流しながら働く農村に若者が遊びに来た。彼らはカセットを大音量で流して踊ったり、歌ったりして遊んた。当然仕事の邪魔になったけど、村のみんなは夜になると静かになるため、我慢した。

    ところが夜になっても歌声は続いた。それだけでなく遊ぶ姿を見物に行った村の若い女性を引き留めてからかっていた。村の青年一人がその姿に怒りをこらえきれず殴りかかり、暴行罪で告訴された。

    事件のいきさつを知った青年の父親が告訴を取り下げ、ハッピーエンドで終わった。しかし、村の人々が自分は関わらないように避ける姿は、さみしい余韻を残したドラマだった。

    報復運転の真相が何だか分からない状況で、こんなことを言うことは難しいが、誰かが犠牲になならなければ、私たちは皆、泥沼にはまって生きなければならないだろう。
  • Lim, Chul | 入力 2019-09-05 00:00:00