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コラム > オピニオン

[コラム] 彼らがいるから、まだ生きていく価値がある

  • オフィスの近くのオフィステルに紛争が発生した。

    入居者の代表を選ぶ選挙が行われた後、不満を抱いた元会長が選挙を無効にすることを主張したため、住民たちは6か月間管理費も払えずにいる。
    代表が空席なので、管理所長、警備員、清掃員もいない。この前はエレベーターも止まり、階段を上り下りしなければならなかった。

    オフィステルから30メートルほど離れたゴミ収集場は、ゴミの山となっている。入居者も、ゴミの分別をきちんとせず、あまりにも放置されているため、町の廃棄物が集まるところになってしまっている。

    ニューヨークの街を掃除したアントニオ(Antonio)が、このオフィステルに行けば状況は好転するだろうか?

    ところでアントニオはどうしてほうきを持って街に出ようと思ったのだろうか?
    デモ隊が通り過ぎた場所に、残ったガラスの破片やゴミを片付けなければ、眠れなかったのだろう。

    そうだ。
    そういう人がいる。不義に耐えられない人々、人を助けようと努力する人々、そのような犠牲は決して苦労と思わない人々。

    街を掃除したアントニオに隣人や地域社会も自動車をプレゼントし、奨学金を支援して感謝した。

    アントニオの行動を見て「それくらいなら、私にもできる」と思う人はたくさんいるだろう。
    心の片隅には、ほうきを持った自分の姿があるだろうが、実際にほうきを持って外に出るのは簡単なことではない。

    ある調査結果では韓国社会にボランティア文化が活性化する必要があり、福祉国家に発展するために必要な文化だということに共感しながらもボランティアをした経験がある人は多くないという事実を示している。


    世論調査専門企業のトレンドモニターによる調査の結果、過去3年の間に、ボランティア活動に参加した経験があるという回答者は36.4%しかいなかった。ボランティア活動をした経験があるという回答者のうち、10~20代の若者が圧倒的に多かったが、これはボランティアを義務付けたためだ。

    自らやりたくて奉仕するのではなく、大学に行くためのスペックを積むために奉仕をしているので、学生時代が終わればボランティアはやらなくなるかもしれない。職場生活をしたり子どもの面倒を見たりして時間もないし体力がないと言って諦めてしまう。

    だからこそ、ボランティアに乗り出した人の方がもっと貴重に思える。
    たとえ少数だが、本当に純粋な気持ちで手にほうきを持った人たちが、まだ周りに残っている。彼らがいるから世の中はまだ生きていく価値がある。
  • Lim, Chul | 入力 2020-06-12 00:00:00