A. | 最終回を迎えてから1年が過ぎましたが、ドラマの余韻が冷めていないのか『梨泰院クラス』シーズン2について質問する人が、いまだに多くいます。 もしかしたら世の中と妥協せずに所信を持って生きたいという願いがあるからなのかもしれません。 自分は、やむを得ず世間に合わせて生きているものの、壊れても自分だけの人生を切り開こうとする人たちの姿を見たい、という願望です。 梨泰院(イテウォン)は1000万人が集まって暮らす、ソウルでも異邦人の多い街です。奈落に落ちた主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)を優しく包み込む街です。 警察になることを夢見ていたパク・セロイは高校に進学した初日、父が通う会社の会長の息子、チャン・グンウォンと接するこになります。 平然と弱者をいじめるグンウォンにパンチをとばし、「ひざまずいて謝罪すれば、なかったことにしてやる」という権威主義者のチャン・デヒ(ユ・セミョン)会長の提案を拒否します。自分の所信に合わないからです。そのせいで父と恋人を失い、前科者になってしまいます。 2年間の服役と7年間の船員生活を終えた彼は偶然、梨泰院を歩いていて自由を感じます。小さい店を開いて落ち着きます。事業初心者の彼に色々な苦難が訪れます。10年以上も経ったのに依然としてひざまずかせようとするチャン・デヒ会長の陰謀による逆境です。(以下のあらすじは省略) 梨泰院は力のない人がそんな逆境を乗り越えて所信を守ることができるようにしてくれます。 そんな街を歩きたいという欲望がシーズン2を期待させるのでしょう。 シーズン2は放送されるのでしょうか。制作されるとしたらいつ頃なのでしょうか。 『梨泰院クラス』は「Daum」に連載された作家チョ・グァンジンのウェブ漫画が原作です。ウェブ漫画家がドラマの脚本を書きました。 作家の筆力がそれだけすごいという点が分かりますが、見方を変えるとドラマとウェブ漫画がしっかりつながっているという意味でもあります。 2016年12月から「Daum」に連載されたウェブ漫画『梨泰院クラス』は2018年7月に完結し、有料に転換されました。ドラマ化が確定しドラマの放送に合わせて2020年1月末から5話分の特別版が公開されましたが、それで終わりです。 残念ですが、これ以上、続くストーリーが今のところないわけです。 そのためシーズン2を楽しみにしているなら、むしろ原作のウェブ漫画を見ながら原作と違う点を比較してみるのはどうでしょうか。 カカオの子会社であるピッコマ(Piccoma)で『六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~』というタイトルで連載されています。 ウェブ漫画で飽き足りないなら、梨泰院や六本木通りを歩いてみるのはどうでしょう。 そうして胸の中に何かが浮かび上がれば、「わ~」と一度叫んでみてください。 1年以上続いた新型コロナウイルス禍のなかでも、かすかに生きる意味を感じられたら、それで十分ではないでしょうか。 |