A. | 先日、歌手のイ・スンファンが自身のSNSに左手に「王」と書かれた絆創膏を貼った写真を公開しました。 単純に支持者の心が込められたのか、占い師の呪術が込められたのか分かりませんが、3回に渡る討論で手の平に王の字を書いて登場したのなら自分に御利益があると信じたと見るのが正しいでしょう。 大統領選に挑戦する政治家も、こんなありさまなので不安を紛らすために入試や就職試験に合格を願いながらお守りを買う人々の心情が理解できます。 韓国でお守りを買う人が多いですかって? サイトに入ると高僧の直筆のお守りだと言って、ものすごく高い値段で売られたりしています。 たまに食品業者がマーケティングに使うこともあります。 舌打ちする人もいるでしょうが、都会化が進むにつれ病気や不幸を避けるためにお守りに頼る人が多くなるというのが文化人類学者たちの結論です。疎外感と不安心理がより大きくなるためだそうです。 韓国だけでなく中国、日本、西洋も同じです。韓国の場合、キリスト教文化の影響でお守りは撤退しなければならない迷信と見なされ陰に隠れてしまったのです。 韓国にも歴史時代から、お守りが存在しました。 韓国に文明を開いた桓雄(ファヌン)も父の桓因(ファニン)に「天符印」の印をもらったのですが、ある意味ではこれをお守りだ見ることができます。その後、韓国に様々なお守りが登場しました。 陽の気運で陰を追い払うというお守りの効能は民間でも広く使われていました。 世の中がすっかり闇に覆われ稲妻が走った日、お守りに火を灯したりしました。 濡れた木や牛に与える水がお守りに活用されました。 空で陰陽がぶつかって雷と稲妻が作られるので、たくさんの煙を上に上げて雲を中和させるためのもがきでした。 今は田舎で、このようなお守りを燃やすところは見つけにくいです。 避雷針の効能をみんな知っているからです。 しかし、お守りはまだ表門の前に、リビングの窓枠の上に、枕の中に、そして下着の奥深くに隠れています。 科学が人間の疎外感や不安を癒やすことができない限り、お守りは我々の暮らしに共にあります。 |