A. | 先日、フランシスコ法王が子どもを持たず犬や猫で子どもの代わりをしようとする夫婦がいると憂慮しているという報道がありました。 法王は「子どもを持たず父性や母性を否定することは危険なことだ。父性と母性の豊かさを失った文明は人間性がないまま年老いて苦しむ」という言葉も付け加えたそうです。 一生独身の神父が子どもを持たないと指摘できるかどうかは分からないですが、新生児の泣き声が聞こえないということは確かに憂鬱なことです。 韓国の人口絶壁のレベルが深刻ですかって? 結論から言うと深刻です。 それも非常に深刻です。
出生者より死亡者が多い「デッドクロス(Dead Cross)」現象がすでに昨年から始まっています。韓国の人口がピークを迎える年は2028年頃と予想されていましたが、8年も繰り上げられた2020年が分水嶺になったということです。 韓国の人口の頂点を2028年と予測した時期は2019年3月、わずか3年で予測が外れてしまったのです。 そのため、あとは韓国の人口が減ることだけが残っています。もちろん韓国の若者たちが子どもを持つと考え方を変えれば変わるでしょうが、結婚や出産に対する若者たちの現在の認識状態を見れば、そのような希望はあきらめるのが妥当でしょう。 死亡者が出生児数より多いデッドクロス現象は、すでに1年前の2020年に起きました。出生児が死亡者より3万3000人も少なかったのです。 しかし、国内に住む外国人が増えて韓国に住む総人口は減りませんでした。新型コロナウイルスで外国人の流入まで減少し昨年から韓国で暮らす人々が減少しました。
今後の展望はさらに悲観的になっています。 統計庁は今後10年間に減る人口数を年平均6万人前後と観測しています。死亡者が新生児よりはるかに多いでしょうが、外国から流入する人口が多ければ人口が増える可能性もあるという楽観(?)も混じっています。 50年後の2070年になると韓国人口が3766万人に現象します。2020年の5184万人に比べて1418万人も減少するという話です。 このような推計も最悪のシナリオではありません。2020年に0.84人だった合計出生率が、2024年に0.7人まで下がり、2036年には1.21人まで回復するという仮定の下で算出された数値です。 もし合計出産率が上がらなければ、つまり現在のように結婚や子どもを生むことを避けるようであれば、さらに悪くなるでしょう。最悪のシナリオは2030年には5015万人、2070年には3153万人となります。 人口が減ることの何が問題なのか、こう考えている人もいるはずです。人が少なくなれば社会的な議論も減り、生活環境も快適になるのではないかと問い返すこともできます。 しかし、人口絶壁は単なる人口減少にとどまらず年齢別人口分布に大きな変化が起きるという事実を知れば、どれほど深刻なことかが分かるでしょう。 上の表をゆっくりご覧ください。 中位年齢とは、全体人口を一列に並べた時の真ん中にいる人の年齢を指しますが、表を見るとその年齢が持続的に高くなっていることが分かります。 1戸当たりに子どもが3~4人はいた1970年には中位年齢が18.5歳でしたが、2000年代に入り31.8歳になりました。そして2020年には43.7歳から高年層へと変化した状態です。現在の人口の傾向を考慮すると2030年には59.8歳から50代近くまで上昇し、2040年には54.6歳、そして2060年には61.2歳となります。 簡単に言うと、2060年、ソウルの街を歩く韓国人の平均年齢が60歳を超えるということです。 |