A. | 辛い料理にはカプサイシン(capsaicin)が入っています。 あるYouTuberが蚊の幼虫にカプサイシンを食べさせたらどうなるのか試したことがあります。(上の映像)。親の死体まで食べる蚊の幼虫はカプサイシンを食べてもスクスクとよく育ったといいます。YouTuberは韓国産の蚊なので辛さを楽しんでいるのではないかという感想も残していました。 とにかく韓国人は辛さを楽しんでいるようです。韓国料理の中で辛い物もかなり多いです。 「ああ、辛い」と言いながらも何度も辛い料理を口に入れる理由は一体何でしょうか? 辛味中毒になったからです。 厳密に言えば辛味は味に含まれません。舌が感じる甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つの味覚とは異なり、辛味は実在しない味だということです。 辛味は痛覚です。簡単に言えば苦痛です。 辛味は20世紀末に入ってカプサイシン受容体がカプサイシンと反応して感じる熱感による痛みという実体が究明されました。* *カプサイシン受容体の発見と反応に関する研究でカリフォルニア工科大学アーデム・パタプティアン(Ardem Patapoutian)とデビッド・ジュリアス(David Julius)教授がノーベル生理学医学賞を受賞しました。 これくらいになると気になることがあります。 どうして辛い物を食べて苦痛を感じることを楽しむのでしょうか? 苦痛だと知らないからでしょうか? 苦痛を感じるのは辛い料理を楽しむ人も口にすることもできない人も同じです。 それなら彼らは苦痛を楽しむサイコパス? そうではありません。苦痛の後に訪れる快感を感じたいからです。 人体、その中でも脳の働きがかなり妙です。痛みを感じたらこれに打ち勝つためにエンドルフィンやアドレナリン受容体であるドーパミンを出します。ダイビング、水上スキー、綱渡り、レスリング、サイクルなどエクストリームスポーツをする時に出る、この物質が辛い食べ物で得られるという話です。 つまり必死に走る代わりに辛いとうがらしを食べる方を選んだ、ということです。 (ストレスを解消するためにサンドバッグを打つか、辛い物を食べるか) 辛い食べ物が与える痛覚をなくすために脳から分泌するエンドルフィンは現存する最強の麻薬です。アヘンの主成分であるモルヒネより800倍も強いそうですから辛い物を食べるのは、ただの麻薬を手に入れるための行為とも言えます。 結論的に言えば辛い食べ物にハマるのは麻薬中毒の一種なのです。 |