A. | 中国北宋時代の名宰相、包拯。判官、布青天の背景となる人物です。 ドラマ『包青天』の話はとてもすっきりしています。 悔しい民が開封府に来て太鼓を叩きながら、自分の事情を聞いてほしいと訴えます。捜査を続けると最後はいつも偉い人がいます。事件を隠蔽するために証人を殺し、脅迫し、王と政丞を動員して圧力を加えるなど、捜査を妨害しますが、判官の包青天は気にもしません。 結局、犯人は刑場で頭を突き出すことになります。見てる方は気分がよくて、若い時、万歳と呼んだこともあるほどです。 しかし、すべての鬼がそうではありません。乱暴な鬼もいます。 クスンデ、ドゥオクシニ、オドゥクシニなどが乱暴で気性が荒い鬼たちです。 クスンデは、主に田舎で目撃談が伝えられますが、子供の姿で近付きます。暗い道に子供が一人でいるので、助けようと近付くと子どもは姿を消して、瞬く間に影の姿で大きくなり、驚かせます。急に暗い影が襲うため、気が弱い人はその場で生を終えたりもします。影の姿に変身すれば、物理的な攻撃では絶対退治できない存在です。 オドゥクシニはクスンデと似ていますが、人を死ぬまでではなくて、びっくりさせる程度に止まる「妖精」に近い存在です。基本的に闇を象徴するのは同じです。人がずっと眺めたり見上げたりすると体が大きくなりますが、最後には敷かれてしまいます。オドゥクシニが大きくなるのをどんな方法を使っても無理やり見下ろせばだんだん小さくなってしまいます。目を向けて無視してしまっても、消える存在です。 ドゥオクシニは夜叉と非常に似た韓国の半神的な存在です。漢字では頭抑神、または斗億神と表記しますが、韓国語辞典に怖くて狂暴な妖怪の一種として、夜叉の類義語という説明が付いています。 漢字を見ればわかりますが、ドゥオクシニは頭を押さえつける妖怪です。人の頭を潰して殺すミステリーな存在、理由なく頭痛がひどくなったら、ドゥオクシニのいたずらではないかと疑います。 オドゥクシニとクスンデと比べると、ドゥオクシニが一段上の鬼です。鬼集団の頭として紹介する伝説もあります。ドゥオクシニは人間が理解するのも難しく、抵抗することもできない存在です。 ドゥオクシニに関する話は17世紀後半イム・バン(任埅)が編纂した野談集『天倪錄』(チョンイェロク)に出てきます。 両班の家で宴会が開かれました。親戚が全員集まりました。 その時16歳くらいに見える頭がボサボサの子供が1人現れて、立ちました。かなり乱暴そうに見えました。 お前は誰だ?どの家の僕だ?聞いても返事がないから出て行けと言いましたが、聞いたふりもしませんでした。 何人かが引っ張りましたが、びくともしなかったそうです。その間もずっと口を開きませんでした。 若者が数十人、飛び掛かって、太いロープで縛って引っ張りましたが、一歩も動かなかったのです。 泰山のようにびくともしませんでした。 力の強い5、6人が駆けつけて残酷なくらい暴力を振るってもボサボサ頭の男の子はひるみもませんでした。 宴会に集まった人たちは、その時になってようやくその子が人間ではないことに気付きました。 みんな庭に降りてきて、子供の前にひざまずいて、お辞儀をして、手を合わせて祈りました。 どうか助けてくれと。 切実にお願いしたため効力があったのか、子供はあざ笑うようににっこり笑って席を立ちました。 子供がドアの外に出た後、よく見ましたが、どこへ行ったのか痕跡も見つかりませんでした。 宴会は台無しになり、親戚はみんな慌てて席を立ちました。 その後、あちこちから人が死んだという知らせが入ってきました。子供を叱って悪口を言った人、引きずり出せと命令した人、殴るよう指示した人、綱を縛って引っぱった僕、棒でたたいた武士はみんな頭を割って死にました。 不幸にもドゥオクシニの本当の姿を描いた絵はありません。 日本の妖怪、鬼のように角があり、ものすごい形相で描かれていますが、角のないドゥオクシニもいます。 妖術で人を傷つけるよりは棒や拳で殴って殺すのが好きな悪鬼です。 とても怖い存在なので、漫画やアニメ、オンラインゲームでよく借用されるキャラクターです。 余談として 「ドゥオクシニ」という名のバンドもあります。2018年にデビューしたスラッシュメタル(Thrash Metal)のバンドです。本人が妖怪の名からバンド名を取ったと言いました。
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