A. | キツネは犬の親戚です。赤ちゃんの時から飼うと犬と同じように甘えるため、とてもかわいいペットになります。 ロシアで人間に人懐っこいキツネを選んで交配させる研究をしましたが、性格や行動はもちろん、外見まで犬に似ているそうです。主人を見ると、しっぽを振ったり、コンコンと吠えたり、耳が垂れて尻尾を巻きます。 ところが、家畜に変わる過程で、もともと高価な毛皮を提供していた銀狐の毛色が変わったため、毛皮商品としては価値がなくなったそうです。「私は、かわいいでしょう?だから、毛皮を手に入れるために殺さないでください」と訴えるようにです。 賢くて、好奇心が旺盛で、あまり気性が荒くないキツネが、なぜ妖怪の代名詞になったのでしょうか? 韓国だけでなく中国や日本でもキツネが長生きすると人を騙して、妖術を使う妖怪に変身するという話が伝えられています。聞くところでは日本の場合、九尾狐が三大悪妖怪として思われているそうです。人と親しみのある動物として認識しているようですが、本当ですか? キツネは油揚げが好きだから、油揚げうどんは「きつねうどん」、油揚げで作った寿司は「いなり寿司」と呼ばれてるそうなので、間違いないでしょう。 キツネが妖怪に変身すると、ほとんど美しい女性に化けて男を騙します。だから、セクシーだったり、淫らな女性を「キツネみたいだ」と言ったりもします。もちろんこれは上品な表現で、たいていは「キツネみたいなやつ」、こんなふうに使われます(男の怪物を指す動物は?オオカミ) 韓国でキツネが妖物扱いされ、妖怪に変身する代表的な動物になった理由は、長年の農耕社会を経て、鶏を盗んだり先祖の墓を掘り返すなど、害獣として認識されたからです。しかし、歴史を戻して古代社会に遡ると、韓国でキツネを神的な存在として崇拝したという記録も残っています。 神的な存在に海獣、キツネが動物妖怪の首長として浮かび上がる絵が描かれませんか? 韓国に伝わるキツネの妖怪は種類もとても多いです。 東アジアの各地で出没する尻尾が9本の九尾狐、老いたキツネが賢明な僧侶の姿に化けた老狐精(ノホジョン)、年老いたおばあさんに化けた老嫗化狐(ノグファロ)、お墓の遺体を食い尽くす怪物の三頭九尾(サムドゥクミ)、千年生きて妖物と化したメグ、きれいな女に化けて男を騙して肝臓を奪うブルヨウ、中国大陸で暴力を振るって新羅に追い出されたキツネの妖物、劉成神(ユ・ソンシン)、心から娘を欲しがっていた金持ちのキツネたちが出没する地域の寺で祈り続けて授かった娘である「ヨウヌイ」。 多いと言いましたが、並べてみたら、そんなに多くありませんね。 俗説では、キツネが大体50年ほど生きたらブルヨウとなって、100歳を超えるとベクヨウ、もっと長生きすれば、九尾狐になるそうです。ブルヨウは女性にだけ変身が可能ですが、100年が過ぎれば、性別にかかわらず、美貌と霊力を持った巫女にも化けるそうです。この巫女の占いが当たると言って、占いに出かけた男たちの将来が嘆かわしいです。 千年を生きたメグは天虎(チョンホ)で、ほぼ神的な存在です。男を騙したりする、そのようなつまらない事とは距離を置いた存在になります。 人も千年、生きればそうなるでしょうか?
いずれにせよ韓国で一番代表的な狐は九尾狐です。「ブルヨウ、べクヨウ 、メグ、あらゆるキツネの妖怪」を称する言葉としても使われます。 先に言及しましたが、九尾狐が妖物と思われていただけではありません。古代社会ではむしろ神霊な動物だと思われていました。 朝鮮肅宗2年(1675年)に刊行された揆園史話(ギュオンサファ)には、このような内容が出てきます。 「この時、神霊のような獣が青丘(チョング)に現れたが、毛の色を明るくして尻尾が九本付いた獣が書冊を口にして縁起がいいことを表していた。高矢氏に賞を与え、国中に音楽を演奏しながら楽しめと命令を下して、朝天舞を作った」 中国の東漢時代、班固などが編纂した歴史書「白虎通」には、「皇帝の徳が高いと、鳥や獣にまで影響を及ぼし、九尾狐が出現する」と書かれています。 九尾狐は太平盛大の時に現れる神霊の存在として見ていたという意味です。 今、九尾狐が出現する時期だと思いますか? |