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天然記念物として公認されたサップサル犬(毛色によって白サプサリ、黒サプサリ、青サプサリなどと呼ばれます)。 下の写真はイギリスのオールド・イングリッシュ・シープドッグ(English Sheepdog)ですが、外見が似ています。実際のオールド・イングリッシュ・シープドッグは韓国で「イギリスのサップサル犬」というニックネームが付けられています。 * 鬼を追い払う退魔犬と呼ばれています。実際に、「サプサル犬」という名前の意味を解釈してみると、「悪い気運を追い払う犬」になります。朝鮮時代の中宗時代、政治上で権力を握ってた金安老(キム・アンノ)の著書 『龍泉談寂記』 を見ると、サプサル犬が間違って、あの世へ連れて行かれた人をこの世に連れ戻す案内をしたと書かれています。 島や深い山奥にも生息し、孤立していた珍島犬や豊山犬とは違い、サプサル犬は韓半島のあらゆる所に生息し飼育された上、太平洋戦争期間中には毛皮の収集用として、たくさん屠殺されました。毛が多いためか、一番先に殺された犬がサップサル犬です。 あのかわいくて小さい子犬から、どれくらいの毛が取れるのかと思うでしょうが、実はサップサル犬は思ったよりずっと大きいのです。身長がおよそ49~55センチに体重17~21キロで珍島犬より大きい犬です。 20世紀以降、珍島犬が韓国を代表する犬種になりましたが、韓国の古典文学に登場する犬はほとんどサプサル犬です。韓国人に一番親しまれている犬がサップサル犬という意味でもあります。 サプサル犬保存協会は、このような点を強調し、2002年ワールドカップ当時、マスコットをサップサル犬で作らなければならないと主張しました。あまりにも多くの生物が候補に挙がっていたので、サプサル犬が候補に上がったのかさえ知らないまま終わりました。そうして2011年、大邱(テグ)で開かれた世界陸上大会でサプサル犬をモデルにしたマスコット「サルビ」が登場しました。 性格は、とても忠直なため飼い主に忠誠を尽くします。こんな逸話もあります。 サップサル犬の子犬を分譲した人は飼いたくなかったのか道路に捨てました。しかし、飼い主を忘れられなかったサップサル犬は、その場から一歩も動かず数か月間、耐えたことがあります。この事実が放送を通じて伝えられた後、本来の飼い主の所に戻って親兄弟と仲よく暮らしています。(血統のいいサプサル犬は、耳の後ろに登録番号が押されており、飼い主が誰なのか、誰に分譲されたのかすべて記録されています。) 顔まで毛が伸びていて、耳が垂れ下がっていて、おとなしくて、堂々としているように見えますが、目つきがとても鋭いです。 目を覆った長い眉毛を横に分けると、鋭い瞳に驚きます。 (こんな民談もあります。朝鮮初期、青白吏(潔白な官吏)で有名な黄喜政丞は、目つきが荒くて気弱な人は、サプサル犬と目を合わせただけ逃げたと言います。晩年に至って黄喜とサプサル犬が、睨めっこをすることになりました。睨めっこで負けた黄喜が「私も逝く時が来た」と歳月の無常さを嘆いたそうです)。 |