A. | 一時期、日本のアニメ『らんま1/2』にハマったことがあります。 この作品に出てくるキャラクターはみんな楽しいですが、今も考えただけで笑いが出るキャラクターは黒豚溺泉に落ちて冷水を浴びるときれいな子豚に変わる響良牙です。 主人公乱馬の親友でありライバルです。中学生時代、パンの争奪戦をするたびに、いつも最後のパン1個を奪われたため恨みが積もって、家の裏の空き地で決闘を繰り広げようと申し出ます。ここで問題が起きます。ものすごい方向音痴の響良牙は、家の裏の空き地を探せずにさまよい、4日後にようやく到着しましたが、3日も待っていた乱馬はもう帰った後でした。
現実世界にもこんな人がいるでしょうか? これくらいではないですが、説明を聞くともどかしさを感じる事例は多いです。 約束時間が30分も過ぎても来ない友人に電話をかけたら「今向かっている」という返事が返ってきます。 「今どこにいるの?」 「うん、車が見えて人が多い所にいる」 「今、オートバイが通り過ぎた」 後で確認したら駅の前で迷っていたんです。 こんな友達を探しに行く時も大変です。 「今どこにいるの?」 「バイクが通り過ぎたよ」 同じ方向音痴の友達はバイクを探して迷います。 歩道橋に上って橋を渡らずに反対側の階段から降りてきても「ここはどこ?」と悩む人もいます。大学に通う4年間、毎日歩いた一直線の道を反対に歩いて道に迷ったという笑えない話もあります。 自分が方向音痴であることを認めたがらないというところから、問題はさらに複雑になります。 そうして起こる共通した現象があります。 - 最初の道は大体正しい。 - 自信がついて勘で進んでいく。行く途中、この道じゃないような気がして道を離れる。 - だんだん変な道に進み変なところだということに気付いたが、足が止まらない。 - プライドを傷つけられて、または恥ずかしくて「ここはどこですか?」、「OOに行くにはどうすればいいですか?」と尋ねられない。 - 生まれて初めて見たところに到着する。 聞いた話では歌手になりたがっていましたが、芸能事務所への道が分からず歌手の夢をあきらめた人さえいるそうです。 こういう方向音痴は女性が男性より、はるかに多いというのは事実でしょうか? 女性たちが遊びに行く時、男性1人ぐらいは同伴させたがる理由は、重いものを持ってくれる人が必要だからではなく、道案内をする人が必要だからというのは事実でしょうか? 周辺の人々に聞いてみると大抵、女性が男性より方向音痴が多いということを認めるでしょう。 農耕生活に入る前から、女性は子どもの面倒を見ながら家の前で果物を拾ったり、ナムルを採る仕事をした反面、男性は狩りに出たため、道を探す本能が男性の方から発達したという話が昔は定説のように思われていました。 カナダのトロント大学のトレンブリー教授はニューヨークタイムズとのインタビューで「女性は道を探すとき、男性より周辺環境に頼る。普段通っていた道でも建物が消えれば、女性は自分の方向感覚を疑うようになる。これに対して男性は、他の種類の情報だけで道を探すことができる」と明かしたことがあります。 耳の奥で羅針盤の役割をする三半規管の大きさが、男性が女性より大きいためだというのが、トレンブリー教授の推論です。 コンパスの性能の違いもあるのですが、女性が男性にエスコートされることが多いので、道を探す経験も少なくなります。 息子と娘を一緒に育ててみた親たちは大抵知っていると思いますが、男の子のほうが女の子よりブロック遊びに、より多くはまります。 妊娠2か月目からテストステロンが分泌された赤ちゃんは、男性の性器官とともに右脳の発達を助け、空間を認知する能力が右脳にあるというから、生まれつき道を探すのに男性が優れているということです。 ホルモンの話がここでも出てきますね。 |