A. | そうなんですよ。 どこかの洗面台の下の排水管だけが曲がっていますか? 流し台の下の排水管もそうだし、便器の水も曲線の通路に沿って流れます。 そのせいで、どんなことが起こるのかよくご存知でしょう。 詰まってます。 便器が詰まって臭いを我慢しながら解消することを考えると呆れます。 洗面台や流し台の下はパイプが曲がっているので簡単に目に入りますが、便器の排水管がS字型になっていることを知らない方もたまにいます。 これは便器を壊さなくても分かります。 便器に水が残っていることが事実を語っています。 便器に水が残っている水を「封水」といいますが、水が完全に流れないため溜まっているのです。封水は便器の下段部の排水管がS字に曲がったところにあります。S字型に設計されていなければ、水が全部抜けて便器に水が溜まっているはずがありません。 洗面台、流し台、便器の排水管が詰まるかもしれないという懸念を残してS字型に設計されたのは安全のためです。 曲がった排水管と封水は下水管を通って上がってくる悪臭や虫を遮断します。便器に異物がつくのを防いでくれたりもします。 排水管が曲がっておらず封水もなければ、浄化槽からの匂いを遮断する方法がなく家中が悪臭で覆われてしまうでしょう。 臭いを我慢するか、便器が詰まるような手間を選ぶか、選択の岐路に立って「詰まったら解消すればいい」を選んだわけです。 排水管が古くなるとS字部分に粘り気のある汚物がたまり封水の流れる道が狭くなるので、よく詰まります。このような時にお湯を排水管に流すとある程度の効果が得られます。粘り気のある汚物が脂ぎっていて、お湯に溶けるからでしょう。 ちなみに北半球と南半球で排水管を抜ける方向が異なります。 北半球では反時計回り、南半球では時計回りに回ります。地球の自転によって生じる転向力が反対方向だからです。赤道ではこの力が非常に少なく便器からの水が竜巻を起こさずにまっすぐ下がります。ハリケーンも南半球では時計回り北半球では反時計回りに回転します。 |