A. | 印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の絵を画報だけで接してみた人が、ルーブル(Louvre)博物館で実際の絵に接して深い感動を受けたと言います。 ラジオやテレビの音楽チャンネルから流れるクラシックを聴いていた人が、オーケストラの演奏を直接聴いてもそのような感動に包まれます。音楽愛好家が質の良いアンプと高価なスピーカーを用意する理由も演奏会場で感じた感動を受けたいからでしょう。 ワイングラス。 たいしたことではないように思われますが、ワインを注ぐグラスはスピーカー同様です。それぞれ異なる個性、ユニークな味、独特な香りを持つワインを、その姿のまま楽しむためには、それに合うグラスが必要であろうということです。 ゴルファーが状況に合わせてクラブを選ぶように、ワイングラスもワインの種類によって変わります。 一般的に赤ワインは幅が広くて大きめのグラスがいいです。 なぜ? 理由を説明するなら赤ワインの作り方から知っておくのがいいでしょう。赤ワインは最初から絞りはしません。ブドウを割って皮から水分と色が出るようにします。果汁と皮をずっとくっつけておくのです。その後、数日が経ってからようやく皮から果汁を取り、皮に残った水分を絞ります。こんな過程を経るうちに、ブドウの多様な成分がワインに染み込むことになります。 複合的な成分や豊かな香りをしっかり楽しむには、大きなグラスが必要になります。味覚細胞があちらこちらに分布した舌の広い空間で、ワインが流れるためには器の幅が広くないといけません。 しかも、赤ワインの飲用温度は大体20℃前後で食堂や居間にそのまま置いても構わないので、器が大きくて温度が高くなったらどうしようかという、こんな心配もしなくていいです。ワイングラスを握る時も手の熱気が伝わることを心配する必要もありません。 赤ワイングラスの中では、ブルゴーニュ型グラスやボルドー型グラス*がもっとも広く知られています。 * 産地を基準にした1杯の種類で、ワインの品種別にリースニング、シャルドネ、バーガンディグラスに分けられることもあります。
ブルゴーニュ型グラスは入口が狭く、円い曲線を描いて下に広がり、下が少し広がります。 ブルゴーニュレッドは空気との接触があまり必要ではないため、このように設計されているそうです。その代わり繊細で複合的なアロマを感じるには最適なデザインだそうです。 ボルドー型グラスは胴体部分が大きく長く作られていますが、ボルドーワインは味が少し遅く広がるため酸素透過がしやすいようにこの形を使用するそうです。チューリップに似た形で最も大衆的なワイングラスです。 では白ワイングラスについて説明する番です。さて、その前にグラスの部位の名称について紹介しましょう。 グラスが唇に当たる部分をリップ(Lip)、最も広い部分をボール(bowl)、薄くて長いところをステム(stem)、下の支えをベース(base)。 ワイングラスはリップ部分がすぼめられていますが香りを閉じ込めるためのデザインです。 白ワインは、ステムや熱を遮断するためにベースを持って飲むのが普通ですが、赤ワインの場合もレストランで試飲するよう注ぐ時は、ステムやベースを持って飲むのが礼儀です。 白ワインは主にマスカットで作られますが、赤ぶどうでも作られます。赤ぶどうを材料にする場合は、素早く皮を取り除かなければなりません。時間が遅くなるとロゼワインになります。ブドウの皮にある成分がワインに溶け込む隙間がないのです そのため、軽くて清涼な風味を持っています。甘いけど少し酸味があります。ワインマニアたちは白ワインの酸味を楽しみます。唾液を溜める酸味は舌の端で感じます。 白ワイングラスは幅を狭めて細くしてあります。舌先で酸味を楽しむためです。酸味が嫌いなら、冷たい氷の上にワインを置いておくと酸味が少なくなります。ただ香りもあまり感じられません。 白ワインは10℃前後で、あらかじめ冷やしておく必要がありますが、リビングやレストランの室内温度で温まるのを防ぐのにも、小さく長いグラスが適しています。 高級レストランならワインの種類別に格式に合わせてグラスを用意できますが、家でこうすることは簡単ではないです。おそらくある程度買い集めたら収納スペースが足りず、カートに置くという不祥事が起きる可能性があります。 |