A. | 「肉のスープにご飯」 食事を食べるのも難しかった時代、貧しい庶民たちの素朴な願いでした。言い換えれば金持ちは牛肉をずいぶん楽しんだという話です。 今でもそうですが、昔から韓国人は豚肉よりは牛肉を好んで食べてました。そのためか朝鮮時代の記録を見ると1日500~1000頭を屠殺したため市場の片隅には足に踏まれるほど牛の骨が多かったそうです。 ところが、牛は食べるために飼っている動物ではありませんでした。個人の牛を屠殺することも禁じました。そのため、牛を食べる時はゆっくり楽しんで食べたはずです。 韓国では屠殺した牛を300個以上の部位で販売します。日本が150部位、イギリスが200部位ほどと言いますので、韓国のように細かく分類する例は世界的にもまれです。 部位ごとに様々な赤身のほか、コプチャン(小腸)、マクチャン(第四の胃袋)、レバーなどの内臓も食べて、牛の血はソンジを作るのに使います。牛の胆嚢に出来た凝結物は牛黄清心丸の材料になります。骨は牛骨スープを煮るのに使われ、牛の角は薬やニカワ、工芸品に変身します。 普通の人が300個の部位全てを知る必要はありません。 でも質問は、これじゃなかったですよね? 早速ですが、韓牛の等級について見てみましょう。 まず肝に銘じなければならないことがあります。 買い物をする時、間違って1等級の韓牛を選ぶと、ひどい目に遭います。1等級が一番いいという意味ではないからです。 なぜ、こう決めたのか分かりませんが、1等級は畜産物品質評価院の基準では中間点です。1等級の上に「1+」、「1++」の等級があります。どうしてこう決めたのか分かりませんが、とにかくそんな感じです。 だから一番良い韓牛は「1++」です。 韓牛の等級は、肉量と肉質を区別して判定します。肉量は背中の脂肪の厚さなどを基準に審査し、肉質は脂肪交雑*、肉の色、脂肪の色、成熟度などを基準とします。つまり、脂肪交雑が最も重要な尺度ということです。 *マーブリング(marbling)、赤身の間に脂肪が網のように埋め込まれているものです。 脂肪度が基準値以上の場合は1等級を与え、19%以上の場合は1++等級を受けることができます。日本の最高級和牛の22%から31%に比べると低いですが、脂ぎっているのが目に見えるほどです。 品質が良く美味しい韓牛=マーブリング。こんな等式ができたのは比較的最近のことです。 日本の和牛の影響も受けた消費者が油の味を好み、韓牛の品質が西洋のステーキ料理に適していないという指摘を避けようとして、マーブリングの高い方へ韓牛の品種を改良したのです。 マーブリングの高い韓牛の作り方は、トウモロコシなどの穀物飼料を食べさせることです。もともと食べていなかった穀物飼料を食べているうちに病気になり薬も飲ませなければなりません。 もともと韓牛は肉質がよく香ばしく濃い香りが肌にも溶け込んでいるという特徴があります。韓牛特有の香り**は外国の牛肉からはあまり感じられません。 **香ばしい麦の香りがします。 とにかく韓牛はとても高いです。その中でも1++等級は、貧しい庶民には唾液を飲み込ませる存在です。だからといって、良質の韓牛を楽しむ方法がないわけではありません。 脂肪分の少ない2~3等級の韓牛を買って熟成させると、脂の少ない部位も柔らかくなります。熟成させる方法も簡単です。マーブリングのない肉を買って2~3センチの厚さに切って空気が通じないように固く包み、キムチ冷蔵庫で10日以上保管すればいいです。 |