A. | 官公庁やホテル、デパート、レストラン、サウナ、そして少し規模の大きいカフェに入るには、まず手続きが必要です。 体温測定です。 体温が高かったら出納簿に名前を書く必要もなく直ちに退場です。 1日に3、4回も体温測定されて筆者も仕方なく体温計を1つ買いました。 いや、実は2つです。 昔から知っていた体温計と最近の手軽な体温計の2つです。 測定限度が42度であるということです。 もちろん、市販ではマイナス50度~600度まで測れる赤外線体温計もあります。しかしこれは体温計というより温度計と見た方がいいでしょう。赤ちゃんの体温を測るよりも焼肉屋で火力がどの程度なのか測るのに便利だと思います。 実は最近、わきの下にはさむ棒式体温計を使う人はあまりいないです。棒式体温計に使われる水銀は使用が禁止されている上、耳式体温計の優れた製品があまりにも多く大勢となったためです。 ところで、どうして体温計の目盛りは42度で終わってしまうのでしょうか? 人間はもちろん、ほとんどの哺乳動物は体温が摂氏42度を超えると命が絶えるからです。 健康な肉体の体温は36~37度。まあ、みんな知っている話です。 体内に細菌やウイルスが入ってくる場合、プロスタグランジン (prostaglandin)という物質ができ体温が2~3度ほど上がります。39度になると「あら、全身が火の玉のようね」と驚かれます。 40度を超えると命が危険にさらされ始めます。脳の活動に影響が出始め体温計の目盛りが41度を超えると高熱に脆弱な肝臓が破壊されます。 42度が限界です。この温度を超えると細胞を構成するタンパク質がゆで卵のように固まって元の状態に戻りません。 ですから、エボラウイルス病のように高熱を伴う病気は致死率が高くなります。 高熱の後遺症はものすごいです。 生後19か月に患った脳脊髄炎で視覚と聴覚、言語障害まで負ったヘレン・ケラー(Helen Keller)が代表的です。韓国では画伯のキム・ギチャン(金基昶)が腸チフスの後遺症によって聴覚を失っています。実は病気の孫があまりに気の毒で祖母が苦労して手に入れて煎じてくれた高麗人参を食べたせいだそうです。 ですから、病気の人には熱の出る食べ物、補薬は絶対禁物です。 分かりましたか? |