A. | 暖かくなってくると少し面白いことが起こります。 カラスとカササギの縄張り争いです。 体の大きなカラスが簡単に勝ちそうですがカササギも手強いです。縄張り争いが得意な上、屈強なので兵力で優位を占めるカササギの勝利で終わることが多いです。 賢いカラスは無駄な戦闘を避けたのかもしれません。 カラスは利口な動物です。 鳥類の中でI.Qの高さでは1~2位を争っています。 イギリスの実験チームは瓶の中に入った昆虫や水を食べるためにカラスが密度の高い石をビンの中に入れて水が上がるようにするというイソップ童話が事実であることを立証しました。 瓶の大きさが小さいとわざわざこんな苦労をしません。 KBS『クイズ探検 神秘の世界』で同じような実験をしましたが、瓶のサイズが少し小さかったです。 カラスは石を拾う代わりに瓶を倒して水をこぼした後にくちばしをつけて喉の渇きを解消しました。 「ベティ」というカラスは針金を曲げて物を引っ掛ける部分を作った後、瓶の中の餌を取り出して食べて、見る人を驚かせました。 厄介者ですが1年365日のうち1日、正月テボルムなら事情が変わってきます。 この日だけは貴重な存在になります。最初から烏忌日(オギイル)と呼んだりもします。 烏忌日は新羅21代炤知王(ソジワン)の逸話に由来します。 逸話の内容はこうです。 炤知王が正月テボルムに天泉亭(チョンチョンジョン)に出かけたらカラスとネズミが王のそばにきて鳴きました。 ネズミが人間の言葉で伝えました。 「カラスが飛んでいく所へ訪ねて行きなさい」 不思議でもあり驚くべき光景に馬に乗った兵士たちにカラスの後をついて行けと命令しました。 騎兵がカラスの後を追って南のピチョンという所に着くと、そこで豚が2匹戦っていました。 その姿を見守っていてカラスを逃してしまいました。あたふたとカラスを探すと池からある老人が出てきて、文章が書かれた紙が入った封筒を渡して消えました。 兵士たちが帰り王に封筒を捧げると王は封筒を開け文を読むことも考えなかったです。 封筒に「開けてみれば2人が死に開けて見なければ1人が死ぬ」と書かれているからです。 「2人より、1人死んだほうがいいだろ?」 封筒を遠ざけようとするのに、人の運勢を占える日官(イルグァン)が王にこんなことを言いました。 「1人が王様を指すものならどうするのですか?」 その言葉が正しいと思った王が封筒を開けて内容を見ると、三文字が書いてありました。 「射琴匣(サグムガプ)」 王は宮殿に戻り弓を持って琴のケースに向けて射りました。 悲鳴が聞こえてケース*を開けてみると、その中には内戦中に姦通していた僧侶と王妃が隠れていました。 *日本の奈良県にある寺、東大寺の北西にある倉庫、正倉院には韓国三国時代の遺物が多数所蔵されていますが、その中で新羅の琴を見ると琴のケースの長さが187センチで人が入って隠れるのに十分です。 カラスやネズミ、そして豚に助けられ国の政変を避けることができたわけです。 その時から正月テボルムを烏忌日と呼び始めました。 3種類の動物が王の安危のために活躍しましたが、なぜカラスの功績だけが認められたのでしょうか? ネズミと豚(イノシシ)は12干支で1番と最後を占めていて、これらの動物を称える行事は多いですが、カラスはないからでしょう。 とにかく、老人が現れて封筒を渡したという「書出池(ソチュルジ)」は、現在も慶州市(キョンジュシ)の南東に位置しています。湖には朝鮮時代に建てられた美しい建物「二樂堂」(イヨダン)もあり、慶州の若い男女がデートを楽しむナイトスポットだそうです。 たまに正月テボルムがバレンタインデーと重なることもありますが、そんな時は書出池を訪ねるカップルが多いです。 ** 「ボルムタインデー」、あるいは「ブロムタインデー」とも言われます。 |