A. | Compact Disc。 CDとして制作されたアルバムが発売され、その後に続いてデータ情報が保存できるCD-ROMが発売されてからフロッピーディスクは市場から姿を消してしまいました。 フロッピーディスクを追い出したCDも現在、同じ運命に直面しています。 容量が4ギガ程度の空きDVDを使うことはあっても、1ギガ以下のCDは保存用としての魅力が消えてしまいました。まだアルバムや外国語会話の教育用途としてたまに使われてはいますが、いつまで続くか断言できません。 最近発売されるノートパソコンにはCDを入れるスペースが全くないです。 英語、日本語、中国語の教材はCD2枚が入っており、男子生徒たちはこれを再生して聴くよりも円盤のように飛ばして遊ぶのに使用しています。 とにかくCDはなぜ12センチで製作されたのでしょうか? ここに、ベートーベンの交響曲第9番が強力な影響力を発揮したためだと言われています。 CDが、ソニーとオランダのフィリップスが共同開発された製品なのはご存知ですよね? フィリップス側は当初、60分程度の音楽を盛り込める11.5センチを標準にしようと主張したそうです。しかし、ソニーの大賀典雄副会長が74分余りを盛り込める12センチを標準にする案を強く主張しました。しばらく11.5センチと12センチのうち妥協点を見出せずにいましたが、結局大賀典雄副会長が提案した12センチの案が採択されました。名分があったからです。 大賀憲男副会長は退任後、故郷にオーケストラホールを建てるほどの音楽愛好家ですが、歴史上最も有名なクラシックの一つであるベートーベン交響曲第9番を1枚のCDに入れるため、12センチの案にこだわったのです。 ベートーベン交響曲第9番の最も有名な演奏としてはヴィルヘルム・フルトヴェングラーが指揮した1951年のヴァイルトバイロイト祝祭の実況(74分)とヘルベルト・フォン・カラヤンが指揮したアルバム(67分)が挙げられますが、ソニーの12センチの案を採択すれば2つの演奏をいずれも1枚のCDに収めることができたでしょう。 CDの標準案を採択する時、カラヤンの影響力を無視することも難しかったようです。 カラヤンはソニーの盛田昭夫会長や大賀典雄副会長の自宅を訪問するほど親交が深かったのですが、ベートーヴェン交響曲第9番が「1枚のCDに盛り込まれるといい」という意思を表明したという話です。 ソニーとフィリップスがCDの共同開発を決定し記念撮影をする当時、カラヤンが共同撮影をしていたという事実だけを見ても、カラヤンが影響力を及ぼしたことは明らかです。
ベートーヴェンの交響曲第9番がCDの標準規格に影響を与えましたが、最初にCDに録音されたのは別の曲です。1981年、テストを兼ねて初めてCDに録音された音楽はカラヤンが指揮したリヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲で、工場で初めて生産されたCDアルバムは伝説的なスウェーデンの4人組混声ポップグループABBAの「The Visitor」です。 |