解説 | ハングル:찍퇴 ハングル発音:チクテ 意味:特定職員を決めて退職させたり勧告したりすること 解説: 特定職員を決めて退職させたり勧告したりすること。 韓国が通貨危機で企業規模と関係なく解雇という厳しい風が吹いていた時代。 昇進で後輩にまで追い抜かれた製油会社の万年部長は退職の危機に追い込まれた。 辞表を提出しろという直接的な言葉は聞いていないが、役員たちはもちろん部下社員たちが彼に対する態度から「そろそろ出て行ってください」という表情が読み取れた。 息の根を締める圧迫に耐えられず辞表を書いてしまった。 災難は続くというように夫の失職に備えて妻が展開した小さな服屋も、1年も持たずに廃業してしまった。住んでいた家も早く処分した。 夫婦ができることはほとんどない。 空っぽの事務所が溢れサラリーマンがいつクビになるか戦々恐々としている状況で、他の職場を探すのは事実上不可能なはずなので手に入れた退職金でできる事業は何かを考える程度だった。 ところが思いがけない幸運が訪れた。 裕福な知人1人が安くなった土地を買い入れて、あちらこちらにガソリンスタンドを建て始め彼を呼んだ。精油会社で能力を認められなかったが、頼もしい人という評判を高く買ったようだ。 そうして彼は20以上のガソリンスタンドチェーンが抱える会社の副社長になった。 その上、どこが底なのか分からない住宅価格のおかげで前の家よりずっと広くて素敵な所に新しい住処まで用意した。 見方によっては人生逆転と言えるかもしれない。 チクテされた数多くの会社員にこんな幸運は訪れないだろう。 精油会社の部長まで務めて、これまで一生懸命貯めておいたお金もある人はそんなに多くないはずだ。その上、周りで金持ちの知人がいる人はさらに珍しいだろう。 ただ、彼に耳を傾けるべき事情がある。 後輩にまで昇進を追い抜かれる無能な夫を責めない妻、事業経験もないのにむやみに服屋を運営しようとして貯蓄したお金を無駄にした妻の軽薄さを責めず夫婦が愛で団結したという事実だ。 危機の瞬間、彼の家庭は一つだった。 家庭が崩壊していたら、お金持ちの知人も仕事を提案しなかったかもしれない。 |