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[FOCUS] 韓国で「革新のヒント」を見つけた日本企業


  • [FOCUS] 韓国で「革新のヒント」を見つけた日本企業
世界で最も古い企業は日本の「金剛組」だ。百済から日本に渡った金剛重光が578年に設立したもので、今年で1437年になる。32代目は企業の生存に必要な16種類の徳目について1810年頃に残しているが、特に読書と珠算は、技術企業に最も必要な徳目であるため、習得を怠ることがないようにと強調した。

神社を建てたり、修理するときは釘を使わずに木目を利用して加工し、組み立てなければならない。しかし、このような過程に必要な技術は、図面や仕様書などの文書に明文化して残すことが難しいため、先代から後代に暗黙的に伝授するしかない。金剛組が作業に参加した神社は今でも日本を代表する革新的な建築物として、日本人はもちろん、日本を訪れる外国人の感心を呼び起こしている。

金剛組は技術と経営の調和を強調した技術革新の元祖と言える。韓国で技術革新のヒントを発見した日本企業の中には「ジンス(JINS)」という企業もある。この企業は、現在、日本で最も多くのメガネを販売しているが、全国にある280以上の店舗で年間550万個以上を販売する。この企業が差別化される要素は、商品の多様性と手頃な価格にある。1200個以上のフレームを保持し、1万円以下の価格で販売するのだ。

しかし、ジンスの最大の特徴は速度だ。顧客が店を訪問し、フレームとレンズを選択すると、30分後には顧客に完​​成した製品を提供できる。特に、世界で初めてメガネ加工自動化設備を開発し、10分で眼鏡の製作が完成するようにした。これは、眼鏡業界では珍しい革新事例だ。

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ところで、この会社の創業者は、「革新のヒントは、ソウルの南大門市場にある」と言う。観光で南大門市場に立ち寄ったとき、偶然眼鏡屋に書かれた文字を見た。

15分で製作して価格は3000円という内容だった。ちゃんとした製品をこの速さで作ることができるのか確認するために、実際に注文をしてみたところ、まったく問題のない眼鏡が完成した。

韓国でパリパリ(早く早く)文化に触れ、衝撃を受けた彼は、なぜ日本では価格が10倍もするメガネを数日かけなければ完成できないのかと悩んだ。その結果、流通が問題だという事実を確認し、これを解決する方法を工夫した。各店舗にレンズを多量に保管することにより、30分での完成を実現したのだ。今では米国市場にも進出したが、やはり高速化と手ごろな価格で良い評価を受けている。

別の技術革新事例もある。ミシュランガイドは全世界のグルメのバイブルのようなものだ。客のふりをした評価員がレストランを何度も訪問して料理の味と雰囲気、価格、サービスなどの項目を確認した後、良いレストランには星を付与する。

3つ星が最高だが、1つだけ獲得しても最高のレストランとしての賛辞を受ける。韓国料理のレストランが2012年に初めてミシュランガイドに登場した。東京の韓国料理店である「モランボン」が2つ星を受け、「千の花」と「松の実」がそれぞれ1つ星を受けた。

しかし、これら3か所のシェフは日本人だ。見知らぬ韓国料理について工夫して革新した結果、世界的なレストランとして認められるようになり、これを評価した韓国農林畜産食品部は、3つのレストランすべてに功労牌を授与した。韓国料理の世界化に対する功労だ。

上記の事例は二つのことを示唆している。まず、技術革新のヒントは、私たちの周りに散らばっているという点だ。私たちが技術革新のヒントを見つけようと遠くにある外国の事例を分析しているときに、真の起業家は、むしろ私たちの事例を深く覗きこむ。そして、私たちが日常的に行い慣れている活動から技術革新のヒントを得る。

第二に、技術革新のヒントを見つけるには、異邦人の観点が必要だということだ。組織の文化にあまりにも濃く染まっている人だと、技術革新のヒントが目の前にあっても、これを見つけることができない。したがって、普段から異業種を深く観察して、革新のヒントを探すのもよい方法だ。
  • ユン・テソンKAIST技術経営学科教授/写真=毎日経済
  • 入力 2015-05-18 19:38:35




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