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[コラム] パク・クネ大統領の任期、折り返し地点


朴槿恵(パク・クネ)政府は、もすぐ5年の任期の折り返し点(8月25日)を迎える。執権後半期に突入するということだ。1人当たりのGDPは6年ぶりに後退し、貿易規模も4年ぶりに1兆ドルの壁が崩れ、韓国が天井を打って、ついに下り坂に向かっているのではないかという不安がよぎる。パク・クネ大統領は先週、創造経済の仕上げ行事のとき、主要なグループのトップに青年雇用と投資について特別に要請した。来年にある総選挙の日程のため、仕事のできるゴールデンタイムは今年だけであるため、より切羽詰っているようだ。しばしば内閣改造の声が上がるが、公聴会に費やす時間はないという雰囲気を伝える。急がば回れという言葉があるように、呼吸を整えて遠くを見通す必要がある。

自分の家と快適な老後が保障されていて、青年失業率は2%に過ぎず、大規模な財政黒字、1人当たりのGDPは6万ドルを超えるという幻のような経済成績を継続する国。イギリスのエコノミスト(The Economist)が先週特集したシンガポールの姿だ。ところが、その特集の内容の中に、独特なグラフひとつが目に入ってきた。GDPに占める製造業の割合だ。2000年代初頭まで、韓国・日本・シンガポールは、製造業が25%とほぼ同水準だった。ところが、現在の日本・シンガポールは18%に低下し、韓国はかえって32%に上昇した。香港は20%だったものが1%へと地に落ちた。中国を除いて、製造業が30%を超える主要国は韓国しかないようだ。韓国の青年就業が困難に直面している謎がこの図に隠されている。

パク・クネ政府は前半期に何をしたのか。創造経済、公務員年金改革、規制の問題、そして統合進歩党の解体程度が脳裏に浮かぶ。折り返し地点を迎えるにあたって、第2四半期のGDP成長率は0.3%と衝撃的だ。もっと上手くできなかったのだろうか。行政府の長官の豊かな想像力と国会の機敏な法通過に支えられていれば、そして速度戦の韓国になれていたら、韓・中・日の経済戦争で負けるゲームは避けることができたのではないか。そのような観点から見ると、大きな残念さが残る。セウォル号とマーズ(MERS)を経ながら、とりわけ学者出身の長官の仕事処理能力と業務掌握力に問題が多かった。ある者は、このような事件が発生したのが不運だというが、米国のエボラ、ハリケーン事件のように、非常(extreme)事態は、どの国にも起こりうる(ジョン・キャスティのXイベント理論)。

上記の製造業のグラフが示すように、パク・クネ政府は前半に5大サービス産業の育成に死活をかけなければならなかった。青年たちに高付加価値の仕事を多く提供できる医療、金融、教育、レジャー、観光、文化などの育成を強調することは、実は10年以上前から行われている。香港とシンガポールが示すように、生きる道はサービス分野だけだ。製造業は中国・インドなどに明け渡すしかなく、ロボット・人工知能により10年以内に47%が減少するというオックスフォード大学のレポートも出てきた。ところが、国会は馬耳東風で、長官はインスピレーションに乏しかった。今になってトップを集めて青年雇用を増やしてくれと頼んでも、彼らにもなすすべがない。

すぐに、パク・クネ大統領の後半期が始まる。韓国の輸出は再び1兆ドルの塔が崩れる状況にあり、英国エコノミストは2018年頃、世界的な経済危機がもう一度来ると、ソッドの法則(Sod`s law)を警告する。総選挙とレームダックは避けられない障害だ。後半にはどのような変化が必要だろうか。

まず、労使改革のような大きな仕事を党に任せてしまっては、百年たっても終わらないだろう。大統領が4大改革も長官に指示を出して直接指揮しなければならない。公務員年金改革を党に任せた結果、時間は何倍もかかって、ユ・スンミン事態のような大きな争いだけが起きたではないか。

次に、内閣の陣容を経済について詳しい、推進力のある長官に一日も早く変えなければならない。聴聞会が怖くて、気持ちがすでに政界にある長官を置いておいても、国民や公務員が信じない。世宗市の公務員は深刻なまでに動いておらず、長官・次官はソウルに行って不在なのだから、遊び放題だ。なるべく学者出身の長官を排除した新しい陣容を作って人事権を100%与え、きつく 綱紀を引き締める必要がある。

最後に、政策の優先順位の再整備だ。青年雇用と直結するサービス産業の育成、4大改革は継続するべきだろう。必ずすべきことは、言葉ばかりの内需活性化だ。貿易の減少などの危機の兆しが尋常ではないから内需を生かす戦略を見つける必要がある。

執権前半期と明らかに区分されるキャッチフレーズと、何らかのイベントも必要ではないか。李明博(イ・ミョンバク)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府も後半期にキャッチフレーズがあった。 8・15のときに経済人の赦免を行い、「問題は、経済だ!」を強調するのも良いだろう。
  • 毎日経済 キム・せヒョン主筆 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-07-28 17:23:35




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