トップ > コラム > FOCUS > [I ♥ 建築] キャンディ vs チョコレート

[I ♥ 建築] キャンディ vs チョコレート


  • [I ♥ 建築] キャンディ vs チョコレート
筆者はキャンディを好まない。その理由は、ただ甘いものを嫌いだからだ。ところが、不思議なことにキャンディは嫌いだが、チョコレートは好きだ。なぜ同じように甘いチョコレートは好きでキャンディは嫌いなのか。

キャンディは終始一貫して甘い。甘さを出すのは普通べたつくもので、だからさらに嫌いだ。ずっと甘い味がするキャンディとは違ってチョコレートは苦味を出すカカオパウダーと甘みを出す砂糖が混ざっている。だから食べていると苦味と甘味が交互に感じられる。チョコレートの中でもダークチョコレートを好むが、その理由は、苦味の中に感じられる甘みが、より大きいからだ。似たような原理でチョコレートの甘さをより大きく感じるために、塩のかかったしょっぱいポテトチップスをチョコレートと交互に食べることもある。甘さは人間にカロリーを与える主な材料であるため、本能的においしいと感じる。しかし、それをより大きく感じることができるようにしてくれるのは苦味だ。

建築で光は、生存と直結されたカロリーを作る甘みと似ている。光がなければ、私たちは物を見ることができず、生命が存在することもできない。しかし、光を感じるためには、影が必要だ。パンテオン(Pantheon)の丸い天窓から入ってくる光を私達が感じるためには、暗い影を作るドームが必要なわけだ。パンテオンの前の広場には光があふれるが、その光を感じることはできない。しかし、暗いドーム内に入ると影と対比され、その光の価値を感じることができるのだ。このように、光を光にするためには、影が必要だ。

そのような哲学を持ち、一貫して作業をした建築家が 「ルイス・カーン(Louis Kahn)」だ。彼は 「光は自らが建物を打つまでは、自分がどれだけ偉大な存在なのかを知らなかった」という素晴らしい言葉を残した。光が建物にさえぎられて影を作ってこそ、光が自らの存在感を感じるということだ。テキサス州の灼熱する太陽光の偉大さを示すために、彼はアーチ型屋根の最も高い部分に穴を開けて光を入れ、リフレクターで光を反射させて丸い天井を照らすようにした。建築家ルイス・カーンはKimbell Art Museumで、光と影と建築材料という3つの要素が織り成す幻想的な空間の交響曲を完成したのだ。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-11-12 17:27:52




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア