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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国の代表的な振り込め詐欺の手口を教えてください。ボイスフィッシングの内容は?
  • A.
    ある日、京畿道警察庁の刑事が電話を受け取りました。

    「お客様、○○キャピタルのカン・ヒョンチョルです」
    「はい、何ですか」(刑事は高齢女性であるかのように声のトーンを変えて会話をした)
    「今回、当社から、とても良い企画ローン商品が出されたので、ご連絡差し上げました」
    (少しの間、高齢女性の声で会話をしていた刑事は、突然声を変えて畳みかけるように質問した)
    「そんなことでメシ代は稼げているのか。お客様、○○キャピタ…と、声が震えていてはダメだろう。今どこだ。中国かフィリピンか」
    「フィリピンです」
    「フィリピン?そこはマンゴーが美味しいよな。マカティから電話しているのか」
    「違います、マニラです」
    「マニラか」
    「どうして分かったんですか」
    「俺もそこで仕事をしていた」
    「そうでしたか」
    「そうだ。件数が多くなると20%は受け取る。何%だ」
    「13%です」
    「そこのオーナー、泥棒だな。どうして13%しかくれないんだ」
    「他に、もっといいところありますか?」

    刑事は会話をしながら、必要な情報を引き出し、結局、振り込め詐欺を行っていたグループの7人は検挙されました。

    実話なのかって? もちろん、実話です。本当に愚かな詐欺犯です。刑事ではなく、一般人に痛い目に遭う詐欺犯もいます。

    2009年に発生した事件なのですが、ある会社員が知り合いのアカウントから300万ウォンを送ってほしいというお願いを受けて、相手がメッセンジャーフィッシング犯だと直感で気づきました。彼はお金を送ることは出来るのだが、自分の通帳が積立式なため、今すぐには送ることができないと話しました。

    詐欺犯:積立式の通帳とは何か
    会社員:説明すると複雑だけど、とにかく口座に今480万ウォンがあるけど、500万ウォン以上にならないと引き出しできない。だから、明日口座に入金した後に送ってあげる
    詐欺犯:今すぐに必要なんだけど(明日になったら、詐欺だということがばれるかもしれないから)どうにかして、今日中に無理なのか
    会社員:今すぐにはお金がない。会社にも誰もいないし。君の財布に20万ウォンほどあればいいけど。君が20万ウォンを送ってくれたら引き出すことができるのに。そうしたら、すぐに320万ウォン送ってあげる。

    複雑で妙な課程を経て、詐欺犯は講座に20万ウォンを送ってきました。会社員は警察に行って、一部始終を説明しました。

    痛快なことですが、詐欺犯を痛い目に合わせてやろうとしたり、詐欺犯を馬鹿にすることは避けなくてはいけません。特に、自分の居住地などの個人情報をある程度把握されている場合には、ただただ「忙しい」と電話を切るのがもっとも懸命でしょう。

    2012年、高校生がボイスフィッシングの詐欺犯に電話で暴言を吐き続けた後、汗を流して働いている人にたからないで、一生懸命に働くことを考えろと説教して、満足した気持ちで電話を切ったのですが、とんでもない災難に遭いました。彼の家に注文してもいないピザ10枚が届けられたのです。学生は「注文をしたことがない」と説明しましたが、いたずらをしているのかという言葉に結局、財布の中のお金を全て払ったそうです。

    ボイスフィッシングが疑われたら、すぐに電話を切れ。言葉は簡単ですが、世の中、そんなに簡単には回っていません。詐欺師も頭を働かせているからです。さらには前職が警察だったり、銀行員だったり、その業界についてよく知っている人が犯罪の世界に入って詐欺を働く場合には、しっかりとしている人でも騙されます。

    ボイスフィッシングにひっかかって、6000万ウォンを送金した現職の判事もいますし、すっかり騙された言論人もいますから、注意しなくてはいけません。外国人だからと安心することもできません。日本人のなかにも、韓国で暮らしているときにボイスフィッシングの犠牲になった人がいます。あなたが裁判の陪審員になった、大統領の就任式の招待者候補になったので安全管理のために個人情報をいろいろ教えてほしい、詐欺犯があなたを共犯に指名したため検察に出頭しろ、娘がケガをした、母親が倒れた、こんな理由でかかって来る電話を切ることは容易ではありません。

    ひとりで暮らす高齢者には電話で脅迫した後、警察や金融当局の担当者を詐称して直接家に行って、「大変なことになりましたね。本当に悪い奴らばかりです。そこで、当局が……」と話しながらお金を奪い取る詐欺犯もいます。それでも、詐欺師が主に使う基本的なレパートリーを知っていれば、だまされる確率は減るかもしれません。基本のレパートリーを紹介します。

    ・カード、または税金が延滞しています。このようなメッセージを送ってきた後に、確認してほしいというリンクが書かれているのですが、クリックする瞬間に詐欺に遭う確率が大きくなります。
    ・国税庁(あるいは国民健康公団)ですが、税金(または払い過ぎた医療費)をお返しします(詐欺師がよく使う手法であるため、本当に返金があっても取りに来ない人が多い)
    ・今回、弊社が行ったイベントに当選されたので、賞金を送りたい。
    ・銀行の個人情報が漏れました。保安のために口座を移してください。
    ・飲酒運転や当て逃げをしたことがありますか? 被害者が告訴したので警察(検察)に出頭してください。
    ・郵便局なのですが、あなた宛てに来た小包が送り返されました。
    ・あなたの口座が金融犯罪に使われました。(サイトを知らせて)そこにすぐにログインして照会してください。
    ・あなたの車両が取り調べ対象になりました。すぐに確認してください。
    ・あなたの息子(娘)が重症を負いました。今、一緒にいます。(軍隊に行った息子がケガをしたとお金を送らせる詐欺犯が多い)
    ・「もしもし、私。今、急いでお金が必要なんだけど、もしかして100万ウォン……」知人を詐称するケース
    ・○○金融なのですが、お客様のローンが今承認されました。

    詐欺犯に騙されない最も懸命な方法は電話をまず切った後、警察や金融当局、銀行、道路公社など、とにかく詐欺犯が詐称しているところに直接電話してみるのが一番です。筆者も警察の捜査官を詐称する詐欺犯の電話を受けたことがあるのですが、ちょうど小切手を紛失した状態だったので、「私の小切手が見つかったのかな」という考えが一瞬浮かびました。とにかく、今は長く話すことができないため、後で電話してほしいと言ってから、詐欺犯が話した警察署に直接電話をしたことがあります。

    その後、どうなったのかというと、再び電話はかかってきませんでした。詐欺犯も危険を感じると、すぐに電話を切る手法を使います。