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[社説] 国家情報院職員の表現の自由は、来年の総選挙に介入するという意志?

  • 「左翼梟首」というIDで野党と湖南、さらに女性を卑下する投稿を数千も書き込んだ国家情報院の職員が表現の自由を奪われたとして違憲申請を出す。

    彼が書いた文章の中には、一部報道されたものだけを選び出しも「ムン・ジェイン(文罪人、ムン・ジェイン)くたばれ」、「ケ・デジュン、ヌェ・ムルヒョンのせいで」など、表現の自由を云々できるものではない。とてもマスコミが紹介することのできない、性的侮辱、暴言、悪口がいっぱいだ。

    検察は、大統領選挙介入の事実が明らかになったにも関わらず、2年間に一度だけ調査したまま「捜査中」という言葉だけを繰り返している、先月ようやく在宅起訴し、2年半ぶりに裁判が開かれた。侮辱罪と国家​​情報院法違反の疑いで法廷に立った彼は、一般人が傍聴している法廷では何も言わず、弁護人が代わりに「ユ氏の文章は政治介入ではなく、憲法上の権利である表現の自由に当たる」と主張した。

    国家情報院の職員の政治活動禁止を規定した国家情報院法条項の違憲法律審判提請を申請すると出たのだから、これからの帰趨が注目されざるを得ない状態だ。

    やっと法廷に上がったのに、違憲云々して裁判を原点に戻す勢いで、一般人は話す言葉すら見つけられずにいる。法曹界の評価も「話にならない」というところに集められる。

    もちろん、憲法上で保障された表現の自由について違憲提請をする権利は誰にでもあるが、従業員の政治介入を禁止した国家情報院法が違憲であれば、国家情報院、いや公務員のすべてに政治参加の道が開かれるため、裁判所が違憲提請をするはずがないというのが法曹界の共通した見解だ。

    これを知らないはずのない「左翼梟首」の弁護人が世論の悪化を無視してでも、違憲申請というカードを持って出てきた理由についても意見が分かれている。裁判戦略の一部であるとか、待機発令から抜け出すための時間稼ぎという分析も出てきて、国家情報院に対して「私を保護しなければ、大変なことになるぞ」と公に宣言したという主張も出ている。

    この事件は、検察が簡単に起訴することができないほど、敏感な事件であるわけで、国家情報院がこれまで綿密に対応戦略を練っていただろうし、違憲申請もそのような脈絡から行われたという分析もある。簡単に言うと、違憲申請には国家情報院が介入した可能性が濃厚だということだ。

    もし違憲提請申請が国家情報院と関連しているなら、非常に深刻な状況になる可能性がある。これは、来年の総選挙にも介入するという意志を露骨に表わしたも同然だからだ。

    「左翼梟首」の違憲申請について、国家情報院は、「コメントも個人的にしたものであり、個人的な逸脱だったのだから、自分自身を守るために違憲申請をしたものだろう」と明らかにしている。国家情報院では法律検討をした事実さえないと否定している。

    それにもかかわらず、違憲申請をした背後に国家情報院があると疑われている理由は、これまで国家情報院が「左翼梟首」を庇ってきたからだ。「左翼梟首」が国家情報院職員という疑惑が提起されたとき、国家情報院は偽りの情報で、偽りの情報を流布した人について捜査依頼する計画だと強硬な態度をとり、国家情報院職員であることが明らかになった後も待機発令を出したと嘘をついたからだ。

    国家情報院が諜報作戦に使うべき嘘を日常的に行う場合、国の安危も危うくなるだろう。国家情報院の情報を額面通り信じてくれる国民がいなくなるからだ。国家情報院の存立根拠を損なう事態が再発されないためにも、「左翼梟首」の裁判は一点の疑いもなく進められなければならない。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2015-12-27 08:00:00