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テクノロジー > IT・科学 > 夢の新素材「グラフェン」を応用したスマートフォンを開発
サムスンテックウィンとソウル大の研究陣が夢の新素材「グラフェン (graphene) 」をタッチスクリーンに応用したスマートフォンを開発した。
特に、グラフェンの大量生産技術をベースにスマートフォンを開発し、グラフェン実用化のための9合目を超えたと評価されている。サムスンテックウィンR&Dセンターとソウル大学化学科ホン・ビョンヒ教授の共同研究陣は、大面積のグラフェンで作られたタッチスクリーンを、スマートフォン「ギャラクシー」に応用することに成功したと10日、明らかにした。研究結果はナノ分野の国際学術誌である「ACSナノ」の最新号に掲載された。
産業界では、今回の研究でグラフェンを応用した携帯電話の大量生産の可能性を確認し、しなるディスプレイや半導体など、業界の様々な分野にグラフェンが活用されることができる道を開いたと評価した。
研究陣がグラフェン製作に活用した技術は「RT(Rapid Thermal)CVD」だ。グラフェンの大量生産に要する時間を、従来の300分から40分に減らしただけでなく、低い温度で400×300平方ミリメートルの大きさの、質の良い大面積グラフェンを大量生産できる。研究陣は、RT CVD技術を用いてグラフェン膜を作った後、ギャラクシーのスマートフォンのタッチスクリーンに応用した。
研究陣は論文で、「現在われわれが使用している電子機器にグラフェンを応用した場合、安定性や信頼性などが業界で望む基準を満たせなかった」とし、「今回の研究で、大面積グラフェンをスマートフォンに応用できることを確認した」と説明した。
今年で発見10周年となるグラフェンは、スマートフォンのほかに2次電池と太陽電池はもちろん、大容量バッテリーなどにその活用度をしだいに広げている。最初は注目されなかった複合材料や、エネルギー貯蔵装置などにも商用化が加速している。
◆用語説明
グラフェン(Graphene)は、炭素原子6個で構成された2次元の物質。鋼鉄より100倍強く、熱・電気伝導性が優れているだけでなく、曲げてもその性質を失うことがなく、曲がる電子機器などに活用されると期待される。