A. | 板飛び(ノルティギ)、チブルノリ、ビサチギ 今回、ご紹介する民俗遊びは板跳びやチブルノリ、ピソクチギです。 まず、板跳び。 板跳びは厚い板を藁やかますのようなもので支え両側に立った人が交互に足で板を踏みながら空中に跳ね上がる遊びです。板と板を支える土台さえあればどこでもできる遊びです。 朝鮮時代には門の外への出入りが自由でなかった大家の婦女たちや妓生たちが塀の外の世界をのぞき見るために裏庭で楽しんだそうです。 「ヒャンダン、もっと強く踏んで」 「お嬢さん、大変ですよ。私と出かけましょう」 「そんなことができるなら、どんなにいいだろう、無駄口をたたかずに力を使って、もっと強く…」 まあ、こんな感じだったのでしょう。 板飛びにも技術が必要です。ジャンプをする時、板がてっぺんに到達した時に加速して飛び上がるのが最初のコツです。台の高さが小さくても2つの運動エネルギーが合わさると、かなり高く上がることがあります。初めての人は「世の中に私が飛んでいる」という感じもするほどです。 板が床についている時にジャンプしてしまうと下りてくる途中で相手が踏んで跳ね上がる板の床にぶつかります。足の裏への衝撃がかなり強いので重心を失うこともあります。 ジャンプをする際に土台のある中心部に少しずつ移動するのもコツです。こうすれば板から落ちるのを防ぐことができます。 チブルノリ 小正月の前日に田んぼや畑に火をつけて歩く遊びです。小さな穴をいくつか開けた缶にわら束や木の枝を入れて火を付けた後、ぐるぐる回して投げる遊びです。缶が登場する前は乾いたヨモギを集めて田畑にある雑草を燃やしネズミや害虫を撲滅する目的もあり一年間に起きる厄除けという意味もある遊びです。 このような目的だからこそ韓国だけでなく四季折々に国ではどこででも行われていた遊びなのでしょう。日本の火祭りや無形文化芸術遺産に指定された中国の陝西省のチブルノリもあるので韓国だけの民俗遊びとは言えません。 ビサチギ 手のひらほどの石を石碑のように立て他の石を投げて倒す遊びです。 ビソクチギと呼ぶ時は石を投げて石を当てるという単純な遊びの他に少し違う意味もあります。権力や富を握っていた人々には、死ぬ前にも自分の業績を称えるために頌徳碑を建てたケースも多かったそうです。碑石を建てること自体も大変なことですし、それにかかる費用を住民から払わせることも少なくありませんでした。私は望んでいないが、住民が望んだために建てたという名分まで得たのです。 そのため、歩いていた人が頌徳碑に唾を吐いたり石を投げたりしました。石碑に石を投げながら鬱憤を晴らす行為が遊びに発展したという説です。 石を投げて敵の石に合てて倒します。遊び方は簡単そうに見えますが地方によってルールは様々です。 手で投げる、足の甲に石を乗せて投げる、膝の間に石を挟み小走りで石を合てる、股の間に石を挟み小走りで石を倒す、お腹の上に石を乗せて移動して相手の石を倒す、脇に挟んだ石で当てる、肩と首の間に石を挟んだ後、注意深く相手の石に近づいて倒す、額の上に石を乗せておいて相手の石に当てる、背中に石を乗せて石を当てる、目をつぶって石を投げて石を倒します。 身体部位が全部動員されていることが分かります。 普通はチーム戦で繰り広げられます。石を並べたあとに石を合てて倒しますが、石を倒せないとゲームを続けられなくなり死んでしまいます。すると次の人が投げ続けメンバー全員が当てられなかったら攻守を交代し、最後の選手が並んだ石を全部倒せば死んだ選手も復活し、次の段階の遊びにつなげるのが通常のルールです。 |