A. | 梨泰院(イテウォン)クラブから始まった新型コロナウイルスが全国的に広まり、しばらくの間、性的少数者たちの激しい批判の対象となりました。そして、性的少数者に対する過度な批判、偏見、憶測で彼らの自発的な検査を防ぐという世論が提起され、逆に性的少数者に対する韓国社会の認識が低いという自覚も導き出したのです。 5月中旬、SBSのイシュー追跡チームが韓国のトランスジェンダーの現況と彼らが経験する不平等さを確認し始めたのも、このような自覚の延長線上にあります。 韓国にはトランスジェンダーが何人くらい、いるでしょうか? 誰も知りません。 政府も地方自治体も正確な統計さえ出していません。統計にも載らない集団、それこそ見えない人口集団です。 SBSの取材チームはそれでも統計に表れる性別訂正数字で接近しました。全国226の地方自治体に、生まれつきの姓を訂正した住民数がどれぐらいなのかを明らかにしてほしいと要請したのです。これにより、少なくとも517人が性別訂正を終えたという事実を確認しました。(ソウルのいくつかの自治体は、これさえも公表することを拒否した) 2006年に最高裁判所が性転換者も人間としての尊厳と価値を享受する権利があるとして、性別の訂正決定を下した当初はMTFが大半でしたが、2013年からはFTMが大幅に増えている傾向にあります。 SBS取材チームはトランスジェンダーのうち10~15%程度が性を訂正するという研究結果をもとに、韓国のトランスジェンダーはおよそ6000人程度と推算しました。 SBS取材チームが推定した数字は信じられるでしょうか? 誰も自信を持って言うことはできません。 10~15%程度が性を訂正するという研究も13.2%程度が性別訂正をするという日本の事例に基づきましたが、韓国は性に対する物差しが日本に比べて過度に厳しく、キリスト教根本主義者の影響力があまりにも強く、日本との直接比較は難しいという反論も提起されます。 そのため、アプローチ*によって推定値は大きく異なります。 *1995:トランスジェンダーの生き方があまりにも厳しいので、MTFの多くがゲイとして過ごすという主張など。 少なくとも5万人という説から25万人以上という推定まで、その幅はとても広いです。 推定値がこのように大きな差があるので、彼らの人生を改善させるための対策づくりも容易ではありません。 6000人のための対策と25万人を対象にした対策は、全く異なる様相を呈するしかないからです。 |