A. | 孫娘に会いたくて突然、家に訪ねて行きました。 玄関に入ると、かわいい子が駆けつけてきます。 「おじいさん!」 しかし、しばらく抱かれた子が、すぐに後退します。 後から出てきた娘が孫娘に一言言います。 「どうしたの?おじいさんに会いたいって言ってたでしょ?」 「うん、でも、おじいさんから臭いがするの」 「臭い?何の臭い?お父さん、またタバコを吸ってるの!」 悔しくてたまりません。孫娘を抱いてみようと、3日前から歯を食いしばってタバコをやめ、来る前には歯磨きやうがいから、もしかして残っているかもしれない臭いを消すためにずいぶん頑張ったのに… 年が仇です。 お年寄りに会う特有の臭いが可愛い孫娘を抱けなくしてしまいます。 あります。 若い人からはしない臭いのせいで近づきにくくなります。 数世代が一緒に暮らしていた昔は、孫たちも自然にこの匂いに慣れて気にする人が多くなかったのですが、核家族で離れて暮らした家族が会うと、久しぶりに臭いを嗅ぐため近づきたくなくなります。 この臭いは、40歳を過ぎると徐々に出始め、年を取るにつれてひどくなります。新陳代謝が活発な若い人の皮脂からはほとんど検出されなかった脂肪酸が、加齢臭の原因です。 正確には脂肪酸が酸化されたり肌に付着している雑菌によって分解されて発生する「ノネナール」と「イソ吉草酸」という物質のためです。 ノネナールとは? 「老人」であることを強調するのでしょうか? いずれにしてもこれらの物質は胸や脇などに多く発生するので、丁寧に洗顔したからと言って臭いを消すことはできません。お婆さんよりお爺さんからする臭いが特にひどい理由は女性の場合、香水や防臭剤を使うなど普段から管理をするからです。 口臭も老人の臭いに一役買います。年を取ると唾液がきちんと分泌されず、口の中が乾きますが、乾燥した口の中は細菌が倍増しやすい環境です。これによって漂う口臭が孫娘に話しかけられなくしてしまいます。 加齢臭の物質を防ぐ方法はまだありません。新陳代謝が下がり、体が乾燥するのは仕方がない宿命です。 しかし、方法がないわけではありません。 こまめにシャワーを浴びることが難しい状況であれば、濡れたタオルで臭いがよく出る脇、足、胸を拭くと臭いを少なくすることができます。濡れたタオルにレモン汁を加えると、抗酸化機能のあるビタミンCが臭いを消してくれるんです。 脂肪酸の酸化を防ぎ、香水や抗菌剤を保有する化粧品やボディ用品もあるのです。 あ、もう1つあります。 臭いは長く着た服からもします。服に昨日の夜食べて飲んだアルコールとおつまみの匂いがしみついているのなら、考えてみてください。加齢臭に口臭、おつまみの匂い、匂いの塊です。 |