A. | あまりにもありきたりですが、ワインはお酒です。お酒が必要な料理に飲みかけのワインが使えるということです。お肉を寝かせる時にワインを加えると臭みもなくなり、お肉も柔らかくなります。魚の生臭さを消すには白ワインがぴったりだそうです。料理する時も「レッド=肉、ホワイト=魚*」という等式が適応されるようです。 * フルーツ漬けを作る時は赤ワインです。 ここまでは基本です。 それでは、もう少し高い段階に上がってみましょうか? 飲みかけのワインを70~80℃に温めた後、砂糖とシナモン、レモンなどを混ぜて飲むことができます。「ヴァンショー(Vin-Chaud)」という素晴らしい名前を持った健康飲料です。北ヨーロッパやドイツ、フランスでは、冬場は体を温めるために好んで飲むそうです。 ex)お酒を飮む雰囲気を出すにはコニャックやウイスキーを添加すれば風邪の予防にもなるそうなので、新型コロナウイルスを防ぐのにも役立つかもしれません。 やかんにワインを半分ほど注ぎ、大人の指半分ほどの大きさのシナモン、レモンスライス5~6個、黒糖(または蜂蜜)少々を入れて、弱火で20分程度煮つめます。(ハーブを加えてもかまいません) 適当に沸騰したらグラスに注いで飲むといいです。残ったものは魔法瓶に保管してください。濃すぎると熱いお湯で濃度を調整すればいいのですが、注意点があります。 沸騰中にワインの香りとアルコールが蒸発し過ぎてしまうことがあるため、ワインを先に湯煎するか、もしくは蓋をして沸騰させながら好みに合わせて味を調節する必要があります。 ここでこんな質問が出てもおかしくないです。残りのヴァンショーを必ず魔法瓶に保管しなければなりませんか? ヴァンショーとして作ったのはそうです。 だから、飲む分だけ作ったほうがいいでしょう。 残ったワインが多い場合には、その代わりにこのように活用することもできます。ワインを沸かした後、濃縮させて氷を凍らせる容器(cube tray)に入れておきます。冷凍庫に入れておいて、必要な時に1つずつ取り出して使えばいいのですが、これをそのまま噛んで食べるとワインシャーベットになりますし、ミキサーにかけてワインかき氷として作って食べることもできます。 だからといって、ワインで作った飲み物が冬用だけあるわけではありません。オーストリアでは、残ったワインに炭酸水を混ぜて造ったスプリッツァー(spritzer)という飲料が好んで飲まれます。日本の作家、村上春樹も暑い夏に文章を書いていた時は、ワインにジュース、炭酸水、氷を混ぜたカクテルを飲むという話を聞いたことがあります。 旬の果物と一緒に作るワインカクテル「サングリア(Sangria)」もありますが、これは飲みかけのワインで作るにはちょっとあれです。 肉や魚の料理をしたり、飲み物にして飲んだりするよりも、いろいろな使い方があるのがソースです。 ワインのソースの作り方も簡単です。弱火で煮つめればいいでしょう。鍋にワインを注いで煮詰め、ワインが鍋の底に1.5センチ、または1/3程度残っていたら蜂蜜を混ぜ、ヘラで混ぜながら煮ればいいのです。ヘラを指で引いてみて跡が残ったら完成したという意味です。 ワインサムギョプサル、シュリンプサラダ、ムール貝の煮込み、豚肉の煮込みなどワインで作る料理はかなり多いです。 これをいちいち説明するのは困難で、代表的なワイン本場の料理である「酔っぱらいスパゲッティ(spaghetti ubriachi)」のレシピを紹介します。 「酔っぱらいスパゲッティ」はイタリアが貧しかった時代、残ったワインを活用するために考案された食べ物だそうです。 レシピ 1. 大きい鍋でお湯を沸かす。赤ワインと塩をたっぷり入れる。再び煮立ったら、スパゲッティを入れて、包装(スパゲッティ包装紙)に書かれた時間だけ煮ます。 2. ベーコンを細かく切った後、熱したフライパンで炒めます。油の代わりにバターを溶かして使います。 3. スパゲッティと茹で汁(大さじ1)をフライパンに入れ、スパゲッティに油が等しく和えて水気がなくなるまで炒めます。 4. リコッタチーズと刻んだクルミをフライパンに入れてスパゲッティに和えます。皿に盛ってペコリーノチーズをすりおろして出します。ペコリーノがなければパルミジャーノ・レッジャーノで代用してもいいです。 食べる量が多い方はスパゲッティの量を少し増やすといいです。料理名は「酔っぱらいスパゲッティ」ですが、煮詰めているうちにアルコールがすべて蒸発してしまうので、お子さんたちと一緒に食べてもかまいません。 |